この記事では、ADHDの人の見た目について解説します。
ADHDの人は、見た目でわかるのか?
答えはノー。
顔つきや若さなどの見た目では分かりません。
しかし、行動の特徴からADHDかを知ることは出来ます。
ADHDの方の行動特徴を7つ紹介します。
記事の後半では、行動だけでは判断できない大切な3つのポイントも解説!
ADHDの特徴について知りたい方は、最後まで読み進めてくださいね。
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目次
まず結論!大人も子どももADHDの人は見た目ではわかりません
結論からお伝えします。
ADHDの人は容姿で判断することは出来ません。
ADHDは脳の障害であり、容姿への影響はありません。
巷では、「普通の人よりも見た目が若い」「猫顔」など言われているようです。
しかし、全く根拠はありません。
「あ、あの人見た目若い。ADHDだ。」とならないですよね。
ADHDの特徴は、顔ではなく行動に現れます。
次の章では、ADHDの人の行動特徴7つを紹介していきますね。
ADHDの人の特徴とは?7つのポイントをチェックしてみよう
ADHDの人は、上記の通り7つの行動特徴があります。
ADHDの特徴として、忘れ物が多かったり、目先の利益に振り回されたりするなんてことも…。
1つずつ順番に解説していきますので、ADHDの行動特徴をチェックしましょう!
ADHDの特徴①:忘れ物の常習犯
ADHDの特徴の1つ目は、忘れ物が多いことです。
人との約束を忘れてしまったり、大事な書類を持ってくるのを忘れてしまいます。
忘れやすいのは、ADHDの特性として【不注意傾向】【ワーキングメモリの低さ】が影響しています。
不注意とは、あれこれ注意関心が広がってしまい、目の前のことを忘れてしまうことに繋がってしまう状態です。
ワーキングメモリーとは、頭の中に一時的に情報を保管しておいて、それを使って物事を考えられる力。
ワーキングメモリーが低いと、頭の中の情報を忘れてしまったり、上手に使えません。
忘れていることさえ忘れてしまうなんてことも…。
気を付けていてもなかなか改善できない方は、ADHDの傾向がありそうです。
ADHDの特徴②:片付けが出来ずゴミの山
ADHDの2つ目の特徴は、片づけるのが出来ずにゴミの山にしてしまうことです。
ADHDの人は、使ったものを床に置きっぱなしにしてしまうので、家の中がものだらけ。
次に使おうとしても、どこにいったか分からなくなってしまいます。
ADHDの人は、注意が散漫になってしまい、全て中途半端になりやすいのです。
ADHDのお子さんは、親や先生のサポートでなんとか出来ていた人もいます。
その為、一人暮らしを始めてから片づけの苦手さに気付く方もいます。
もし片づけるのが苦手で物が散乱しやすい人は、ADHDの特徴があるかもしれませんね。
ADHDの特徴③:期日を守れなくて怒られる
ADHDの特徴の3つ目は、期日を守れなくて怒られることです。
ADHDの人は、書類の提出期日を守れずに、上司から怒られるのは日常茶飯事。
毎回反省しますが、同じことを繰り返してしまいます。
ADHDの人は、物事を先延ばしにする傾向があります。
さらに、時間を見通す力も弱いので、イメージ通りに終わらないこともしばしば起こるでしょう。
結果的に期日を守れなくて、周りに迷惑をかけてしまうなんて恐れも…。
ADHDの人は、人と約束をするのがどんどん苦手になってしまいます。
ADHDの特徴④:落ち着かなく動き回る
常にせかせかと動き回るのはADHDの人の4つ目の特徴です。
ADHDの人は、じっとしているのが苦手。
静かにしなければいけない場所でも、おしゃべりが止まりません。
ADHDの特性のひとつである【多動】が影響しています。
ADHDの人が大人になると、目に見える多動は減ってきます。
しかし、頭の中では考えが止まらず、忙しくてたまりません。
止めたくても、行動や思考が止まらない方は、ADHD傾向があるかもしれませんね。
ADHDの特徴⑤:目先の利益に振り回される
ADHDの特徴の5つ目は、目先の利益に振り回されることです。
ADHDの人は、目の前にご褒美があると飛びついてしまいます。
先々に大きな報酬があっても待てません。
アメリカの共同研究によると、脳内にある報酬系の経路である「綿条体」を調べたら、ADHDの人は報酬が得られる時に活性化されるようです。
逆に、健常者は報酬を待っている間に活性化されます。
その為、ADHDの人は、目の前にある報酬に飛びついてしまいがちになると言えるでしょう。
ADHDの特徴⑥:気に障ることがあると乱暴になる
特徴の6つ目は、気に障ることがあると乱暴になることです。
ADHDの人は、感情のコントロールに難しさを感じやすい人がいます。
自分の思い通りにならない時、不愉快な感情を抑えられません。
その結果、相手に暴言を吐いたり、喧嘩になることも…。
ADHDの人は、イライラに対しての免疫が低い傾向があります。
その為、感情の起伏が激しく、ADHD本人も感情に振り回されて疲れてしまいます。
ADHDの特徴⑦:集中力が続かない
ADHDの最後の特徴は、集中力が続かないことです。
ADHDの人は、ひとつに集中するのが難しい場合があります。
特に、興味関心があるかないかで集中力が大きく変わって来ます。
例えば、やろうとしても失敗したり、思い通りにならないとすぐに諦めてしまいます。
もう少し頑張れば…なんて周りが思っても、一旦切れてしまった集中力は元に戻りにくいでしょう。
逆に、ADHDの人は自分が興味があるものには、集中力が爆上がり(過集中)。
まわりの情報は一切入らないぐらいになります。
こういった集中力のコントロールが難しいのも、ADHDの人の特徴です。
ADHDに間違えやすい3つの注意点を紹介します!
ADHDに間違えやすい行動特徴は上記の3つです。
これまで、行動レベルでADHDの人の特徴を紹介しましたが、同じような行動でも別の要因が考えられます。
1つずつ注意点を紹介しますので、ADHDの特徴を別の視点で考えてみましょう!
ADHDに間違えやすい注意点①:養育環境による影響
ADHDだと間違えやすい注意点の1つ目は、養育環境による影響の可能性です。
ADHDのような行動は、育った環境によって作られる場合があります。
先日こんなツイートをしました。
小学校の出来事。クラスで落ち着かず、イヤなことがあれば癇癪。友達にも手が出てしまう子。担任はすぐに発達障害を疑う。けど面接してみると、家庭環境が悲惨。両親は常に喧嘩。時には厳しいしつけの実態が分かる。子どもの落ち着きのなさ、安易に発達障害のせいにしてはダメ。育った環境もムチャ大事
— みすぎ@ADHD息子の奴隷 (@uminokanata2020) June 24, 2022
衝動性が高く、多動傾向のお子さん。
一見ADHDのようにも見えますが、落ち着かない家庭環境が影響しているかもしれません。
家庭内でお父さんがお酒を飲んで暴れる。
いつ爆発するか分からない毎日。
いつも周りに気を払い、父親の地雷を踏まないように育った子。
そのような子は、周囲の物音に敏感になります。
そして、ネガティブな感情を抑えられず、父親のように暴力で発散する方法を取りやすくなります。
家庭内の養育環境が、ADHDのような行動へと結び付いてしまった残念な例です。
行動のみで判断せず、その人の家庭環境なども確認しておくのが大切でしょう。
ADHDに間違えやすい注意点②:別の発達障害の可能性
ADHDだと間違えやすい2つ目の注意点は、別の発達障害の可能性です。
ADHDではなく、別の発達障害(自閉スペクトラム症:ASD)の可能性があります。
例を挙げますね。
学校の授業中、先生からの質問に対して、どんどん答えてしまう生徒がいます。
手を挙げて答えるのがルールなのに守れません。
一見、ADHDの子に見られる衝動性の高さが課題のようです。
しかしその子は、手を挙げるルールを知らないし、周囲の反応に無関心だったようです。
つまり、ASDの傾向である、社会的なルールの理解不足と周りの反応に無頓着なのが原因でした。
すぐにADHDだと判断せず、本人に聞き取りしたり、他の場面の行動観察をして判断しましょう。
ADHDに間違えやすい注意点③:別の精神的な病気の可能性
ADHDだと間違えやすい最後の注意点は、別の精神的な病気の可能性です。
例えば、双極性障害(躁状態とうつ状態の両方がある病気)の方です。
躁状態のとき、動き回ったり(多動)、イライラした感情を抑えられない(衝動性)状態になります。
多動や衝動性は、ADHDの人ように見えますよね。
しかし、気分のアップダウンが大きいですし、治療方法も全く変わって来ます。
その他にも、不眠症(寝られなくてイライラ)、不安症(不安から落ち着かなくて動き回る)などの病気もあります。
ADHDと最初から決めず、他の精神疾患の可能性も考えてみるのは大切です。
ADHDの人の見た目の特徴についてまとめ
上記の内容をお伝えしました。
ADHDの人を判断するときに、見た目では判断しないでください。
その方の行動や、生活環境などをしっかりと確認してみてください。
ここまで読んだけれど、自分や周りの人はどっちなんだろう?
しっかりと調べるなら、メンタルクリニックや発達障害の専門外来を受診してみるのもひとつですね。