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ADHDの人への怒り方とは?大人にも子どもにも使える10個の手法を紹介します!

ADHD怒り方

この記事では、ADHDの人への怒り方について紹介します

ADHDの人は、怒られる機会が多くなりがち。

くり返し間違えた怒り方をすると、本人が自信を無くしてしまいます

 

効果的な怒り方が出来れば、毎日のイライラも解消しますよ!

 

この記事を書いている人

現在メンタルクリニックで10年以上臨床心理士として勤務。スクールカウンセラーや児童福祉施設にてサポート経験あり。年間1200件以上のカウンセリングでは、発達障害者の支援には定評あり。

 

ADHDの人への怒り方を10個まとめて紹介します!

ADHDの人への怒り方①:感情的にならない

ADHDの人への怒り方②:本人が落ち着くまで待つ

ADHDの人への怒り方③:具体的な行動について話す

ADHDの人への怒り方④:どうすれば良いのかを教える

ADHDの人への怒り方⑤:なぜなぜと言わない

ADHDの人への怒り方⑥:自分で考えさせる

ADHDの人への怒り方⑦:他の人と比較しない

ADHDの人への怒り方⑧:傷ついている気持ちを伝える

ADHDの人への怒り方⑨:時には無視してみる

ADHDの人への怒り方⑩:努力を認める

 

さっそく怒り方について、ひとつずつ解説します!

 

ADHDの人への怒り方①:感情的にならない

怒るときに、怒る側が感情的にならないことが大切です。

同じ失敗を何度もすると、怒りたくなるもの。

しかし、感情が強すぎると相手にメッセージが届きません

「むちゃくちゃ怒ってた。」と、怒っている印象ばかりが伝わります。

 

落ち着いた声で、ゆっくりと伝える方が効果的。

感情的になりやすい人は、ゆっくり話そうとするのがポイントです。

 

ADHDの人への怒り方②:本人が落ち着くまで待つ

相手がまずは落ち着いている状態かどうかは重要です。

相手が怒っていたり、落ち着かない時に話は届きません。

本人が落ち着くまで待ちましょう。

 

落ち着ける方法は、ひとりで個室で過ごしたり、ぬいぐるみに触ったり。それぞれの落ち着く方法で対処してみましょう。

また、怒る側も冷静な気持ちになるまで時間をかけましょう

 

難しいって人は、こちらの記事も参考になります!

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ADHDの人への怒り方③:具体的な行動について話す

「またやったのか!」「なんでお前はいつもそうなんだ!」といった言い方になっていませんか?

このような怒り方は、ADHDの人は「俺はダメな人間だ…。」と人格を否定された気持ちになります。

 

叱る時は、「人格」と「行動」をしっかり分けましょう

 

「トイレットペーパーで遊んではいけません。」「鉛筆を投げたら人に当たって危ないから止めよう。」など、行動を叱るように心がけましょう。

 

ADHDの人への怒り方④:どうすれば良いのかを教える

ADHDの人を怒るだけで終わっていませんか?

叱るだけでは、どうすれば良いのか分かりません。

本人が失敗するのは、「具体的にどうすれば良いのか分からない」「知ってるけれど忘れてしまった」など様々です。

 

やり方が分からなければ改善できません

 

どうすれば良いのかを教えてあげましょう。

 

ADHDの人への怒り方⑤:なぜなぜと言わない

何度も問題行動を繰り返しているADHDの人には、「なんでそうするの?」と質問したくなります。

理由を知りたいのは当然ですが、怒りの感情も含んだ問いでしょう。

 

ADHDの人は、なぜなぜと聞かれても理由が分からない場合も多いのです。

ついやってしまったと、いった感じ。

相手を納得させるような理由が見つからないのです。

 

怒る側も分からないので更にヒートアップしてしまいます。

なぜなぜ質問で、相手を責めるような言い方は控えましょう。

 

ADHDの人への怒り方⑥:自分で考えさせる

ある程度の年齢になったら、自分で考えられるようにしましょう。

「今回はうまくいかなかったね。じゃあ次はどうしたら良いだろう?」と質問します。

本人が答えられれば、「次は〇〇の方法でやってみよう。」と伝えます。

答えが出なければ、似たような過去の事例を紹介し、その時の対策を伝えます。

 

自分で考えられるようになると、問題行動も繰り返さなくなってきます

 

ADHDの人への怒り方⑦:他の人と比較しない

「〇〇さんだって、ちゃんとやってるでしょう。」と、他の人と比較するのは止めましょう。

同じ年齢や経験の人とは比較しやすくなります。

しかし、ADHDの人には得意不得意があります。

定型発達の人が当たり前に感じていることも難しいのです

 

もし良いモデルとなる人がいれば、

「あの人のやり方はイイかも。真似してみたら?」

などはADHDの人の学びの機会になりますね。

 

ADHDの人への怒り方⑧:傷ついている気持ちを伝える

あなたがとっても傷ついていると伝えるのも大切です。

ADHDの人は、相手の気持ちを理解できずに繰り返している可能性があります。

「あなたがゴミを散らかす度に、私は掃除をしなくてはいけない。だから疲れるし、悲しい気持ちになります。」

 

あなたの感情を素直に伝えることで、「自分は傷つけている。改善しなきゃ。」と考えるきっかけになるでしょう。

 

ADHDの人への怒り方⑨:時には無視してみる

細かいところまで注意せず、無視をしてみるのもひとつです。

怒られ慣れて来ると、あなたの言葉が全く入っていないかもしれません。

 

「怒られる=注目が得られる」という注意引きの行動になっている可能性があります

怒られることが喜びに繋がっているので、余計に問題行動を起こします。

時には、問題行動を無視して様子を見てみましょう。

 

ADHDの人への怒り方⑩:努力を認める

ADHDの人が頑張っているところを見つけるようにしましょう。

実は形になっていないこともありますが、努力しています。

頑張っているけれどうまくいかなくて困っているんです。

失敗している時ばかりに怒るのではなく、出来ている時に褒めてあげましょう

「前は出来なかったのに、汚れた服を洗濯機に入れてくれたね。」と伝えてみてください。

本人は喜んで、より良い行動を増やそうとします。

認められるのはADHDの人に限らず、嬉しいことですからね。

 

ADHDの人が何度も怒られる行動をするのは、努力不足ではありません!

ADHD努力不足

ADHDの人が問題行動を起こすのは、決して怠けや努力不足ではありません。障害の特性が関係しています

 

集中力が続かず、注意散漫になる(不注意)

落ち着きがなく、動き回る(多動)

興味があるとすぐに飛びつく(衝動性)

 

学校や会社など集団活動の中で目立つ行動になります。

集団の場では、「静かにその場で過ごす」が求められます。

しかし、ADHDの人は、とにかく苦手。

興味があれば、誰よりも集中して作業に没頭します。

 

脳の機能として定型発達の人のようには出来ません

 

もっと努力しろ!ではなく、落ち着いて作業できる環境づくりを考えましょう。

 

ADHDの怒り方をQ&Aで紹介

ADHD告知

ADHDの怒り方についてよくある質問を5つまとめてみました。

 

Q1:理由を聞いてもだんまりで答えてくれません。

A1:だんまりの理由はいくつかあります

✔理由が分からない

✔理由は分かっているけれど怒られるのが嫌

✔理由は分かっているけれど説明が出来ない

 

理由を話せない時には、一緒に考えてあげましょう

「あのおもちゃが欲しくて、つい取っちゃったのかな。」など代わりに言葉にしてあげましょう。

決めつけず、こうかな?と提案するような言い方がポイントですね。

 

Q2:叱りすぎて、叱られるのに慣れてしまったみたい。

A2:叱られ慣れの可能性はあります

何度も注意をしていると、「あーまた何か言ってるな。」ぐらいになっているかもしれません。

また、ADHDの人は耳からの情報は記憶されにくい傾向があります。

口頭で注意をしても頭に残りにくいのかも。

叱るだけにならないよう、日頃から楽しい会話を増やしましょう。

 

Q3:親が怒ると、兄弟も本人に冷たく関わってしまいます。

A3:親の行動を学習している可能性があります

親が怒っていると、「あいつは悪い奴なんだ。だから怒ったって良いんだ。」と兄弟が考えてしまいます。

学校でも、先生がADHDの子に怒り続けると、いじめの対象になりやすいと言われています。

 

怒る際は、兄弟の前ではなく、ひとりの時にしましょう

 

兄弟にADHDの特徴を伝え、うまくできない理由を知ってもらいましょう。

兄弟も協力してくれるようになりますよ。

 

Q4:本人の良いところが見つかりません…。

A4:悪いところばかりが目に付くのでしょう

ADHDの人との距離が近すぎて、良い面が見えづらくなっているのかもしれません。

良いところが見つからない時には、パートナーや会社の人に聞いてみるのもいいでしょう

気付かなかった一面を知る機会になるかもしれません。

 

Q5:夫が怒った時に、私はどうすればいいですか?

A5:フォローに回りましょう

同じテンションで怒ってしまうと、本人には逃げ道がありません。

厳しく注意をして凹んでしまっていたら、寄り添ってあげましょう。

旦那さんの意見を批判しないのは大切

夫婦はあくまで同じ意見で統一していることを伝えます。

子どもの気持ちに寄り添いながら、旦那さんの意見をかみ砕いて説明しましょう。

 

ADHDの人への怒り方まとめ

退職後悔

いかがでしたでしょうか?

改めて、ADHDの人への怒り方10個を紹介します。

 

ADHDの人への怒り方①:感情的にならない

ADHDの人への怒り方②:本人が落ち着くまで待つ

ADHDの人への怒り方③:具体的な行動について話す

ADHDの人への怒り方④:どうすれば良いのかを教える

ADHDの人への怒り方⑤:なぜなぜと言わない

ADHDの人への怒り方⑥:自分で考えさせる

ADHDの人への怒り方⑦:他の人と比較しない

ADHDの人への怒り方⑧:傷ついている気持ちを伝える

ADHDの人への怒り方⑨:時には無視してみる

ADHDの人への怒り方⑩:努力を認める

 

怒りたくなくても怒らないといけない場面はあります。

けれど、ADHDの人も改善しようと頑張っています

 

紹介したADHDの人への怒り方の手法を使って、ステキな毎日をお過ごしください!

 

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