この記事では、ADHDの人への怒り方について紹介します。
ADHDの人は、怒られる機会が多くなりがち。
くり返し間違えた怒り方をすると、本人が自信を無くしてしまいます。
効果的な怒り方が出来れば、毎日のイライラも解消しますよ!
この記事を書いている人
ADHDの人への怒り方を10個まとめて紹介します!
ADHDの人への怒り方①:感情的にならない
ADHDの人への怒り方②:本人が落ち着くまで待つ
ADHDの人への怒り方③:具体的な行動について話す
ADHDの人への怒り方④:どうすれば良いのかを教える
ADHDの人への怒り方⑤:なぜなぜと言わない
ADHDの人への怒り方⑥:自分で考えさせる
ADHDの人への怒り方⑦:他の人と比較しない
ADHDの人への怒り方⑧:傷ついている気持ちを伝える
ADHDの人への怒り方⑨:時には無視してみる
ADHDの人への怒り方⑩:努力を認める
さっそく怒り方について、ひとつずつ解説します!
ADHDの人への怒り方①:感情的にならない
怒るときに、怒る側が感情的にならないことが大切です。
同じ失敗を何度もすると、怒りたくなるもの。
しかし、感情が強すぎると相手にメッセージが届きません。
「むちゃくちゃ怒ってた。」と、怒っている印象ばかりが伝わります。
落ち着いた声で、ゆっくりと伝える方が効果的。
感情的になりやすい人は、ゆっくり話そうとするのがポイントです。
ADHDの人への怒り方②:本人が落ち着くまで待つ
相手がまずは落ち着いている状態かどうかは重要です。
相手が怒っていたり、落ち着かない時に話は届きません。
本人が落ち着くまで待ちましょう。
落ち着ける方法は、ひとりで個室で過ごしたり、ぬいぐるみに触ったり。それぞれの落ち着く方法で対処してみましょう。
また、怒る側も冷静な気持ちになるまで時間をかけましょう。
難しいって人は、こちらの記事も参考になります!
-
ADHDの子への効果的な指示の出し方は?CCQテクニックが鉄板【今日から使える】
この記事では、ADHDの子への指示の出し方についてお伝えします。 ADHDの子は、耳からの情報が入りづらいと分かっていても、親から指示を出す時ってありますよね。 私のADHDの息子もびっ ...
続きを見る
ADHDの人への怒り方③:具体的な行動について話す
「またやったのか!」「なんでお前はいつもそうなんだ!」といった言い方になっていませんか?
このような怒り方は、ADHDの人は「俺はダメな人間だ…。」と人格を否定された気持ちになります。
叱る時は、「人格」と「行動」をしっかり分けましょう。
「トイレットペーパーで遊んではいけません。」「鉛筆を投げたら人に当たって危ないから止めよう。」など、行動を叱るように心がけましょう。
ADHDの人への怒り方④:どうすれば良いのかを教える
ADHDの人を怒るだけで終わっていませんか?
叱るだけでは、どうすれば良いのか分かりません。
本人が失敗するのは、「具体的にどうすれば良いのか分からない」「知ってるけれど忘れてしまった」など様々です。
やり方が分からなければ改善できません。
どうすれば良いのかを教えてあげましょう。
ADHDの人への怒り方⑤:なぜなぜと言わない
何度も問題行動を繰り返しているADHDの人には、「なんでそうするの?」と質問したくなります。
理由を知りたいのは当然ですが、怒りの感情も含んだ問いでしょう。
ADHDの人は、なぜなぜと聞かれても理由が分からない場合も多いのです。
ついやってしまったと、いった感じ。
相手を納得させるような理由が見つからないのです。
怒る側も分からないので更にヒートアップしてしまいます。
なぜなぜ質問で、相手を責めるような言い方は控えましょう。
ADHDの人への怒り方⑥:自分で考えさせる
ある程度の年齢になったら、自分で考えられるようにしましょう。
「今回はうまくいかなかったね。じゃあ次はどうしたら良いだろう?」と質問します。
本人が答えられれば、「次は〇〇の方法でやってみよう。」と伝えます。
答えが出なければ、似たような過去の事例を紹介し、その時の対策を伝えます。
自分で考えられるようになると、問題行動も繰り返さなくなってきます。
ADHDの人への怒り方⑦:他の人と比較しない
「〇〇さんだって、ちゃんとやってるでしょう。」と、他の人と比較するのは止めましょう。
同じ年齢や経験の人とは比較しやすくなります。
しかし、ADHDの人には得意不得意があります。
定型発達の人が当たり前に感じていることも難しいのです。
もし良いモデルとなる人がいれば、
「あの人のやり方はイイかも。真似してみたら?」
などはADHDの人の学びの機会になりますね。
ADHDの人への怒り方⑧:傷ついている気持ちを伝える
あなたがとっても傷ついていると伝えるのも大切です。
ADHDの人は、相手の気持ちを理解できずに繰り返している可能性があります。
「あなたがゴミを散らかす度に、私は掃除をしなくてはいけない。だから疲れるし、悲しい気持ちになります。」
あなたの感情を素直に伝えることで、「自分は傷つけている。改善しなきゃ。」と考えるきっかけになるでしょう。
ADHDの人への怒り方⑨:時には無視してみる
細かいところまで注意せず、無視をしてみるのもひとつです。
怒られ慣れて来ると、あなたの言葉が全く入っていないかもしれません。
「怒られる=注目が得られる」という注意引きの行動になっている可能性があります。
怒られることが喜びに繋がっているので、余計に問題行動を起こします。
時には、問題行動を無視して様子を見てみましょう。
ADHDの人への怒り方⑩:努力を認める
ADHDの人が頑張っているところを見つけるようにしましょう。
実は形になっていないこともありますが、努力しています。
頑張っているけれどうまくいかなくて困っているんです。
失敗している時ばかりに怒るのではなく、出来ている時に褒めてあげましょう。
「前は出来なかったのに、汚れた服を洗濯機に入れてくれたね。」と伝えてみてください。
本人は喜んで、より良い行動を増やそうとします。
認められるのはADHDの人に限らず、嬉しいことですからね。
ADHDの人が何度も怒られる行動をするのは、努力不足ではありません!
ADHDの人が問題行動を起こすのは、決して怠けや努力不足ではありません。障害の特性が関係しています。
集中力が続かず、注意散漫になる(不注意)
落ち着きがなく、動き回る(多動)
興味があるとすぐに飛びつく(衝動性)
学校や会社など集団活動の中で目立つ行動になります。
集団の場では、「静かにその場で過ごす」が求められます。
しかし、ADHDの人は、とにかく苦手。
興味があれば、誰よりも集中して作業に没頭します。
脳の機能として定型発達の人のようには出来ません。
もっと努力しろ!ではなく、落ち着いて作業できる環境づくりを考えましょう。
ADHDの怒り方をQ&Aで紹介
ADHDの怒り方についてよくある質問を5つまとめてみました。
Q1:理由を聞いてもだんまりで答えてくれません。
A1:だんまりの理由はいくつかあります。
✔理由が分からない
✔理由は分かっているけれど怒られるのが嫌
✔理由は分かっているけれど説明が出来ない
理由を話せない時には、一緒に考えてあげましょう。
「あのおもちゃが欲しくて、つい取っちゃったのかな。」など代わりに言葉にしてあげましょう。
決めつけず、こうかな?と提案するような言い方がポイントですね。
Q2:叱りすぎて、叱られるのに慣れてしまったみたい。
A2:叱られ慣れの可能性はあります。
何度も注意をしていると、「あーまた何か言ってるな。」ぐらいになっているかもしれません。
また、ADHDの人は耳からの情報は記憶されにくい傾向があります。
口頭で注意をしても頭に残りにくいのかも。
叱るだけにならないよう、日頃から楽しい会話を増やしましょう。
Q3:親が怒ると、兄弟も本人に冷たく関わってしまいます。
A3:親の行動を学習している可能性があります。
親が怒っていると、「あいつは悪い奴なんだ。だから怒ったって良いんだ。」と兄弟が考えてしまいます。
学校でも、先生がADHDの子に怒り続けると、いじめの対象になりやすいと言われています。
怒る際は、兄弟の前ではなく、ひとりの時にしましょう。
兄弟にADHDの特徴を伝え、うまくできない理由を知ってもらいましょう。
兄弟も協力してくれるようになりますよ。
Q4:本人の良いところが見つかりません…。
A4:悪いところばかりが目に付くのでしょう。
ADHDの人との距離が近すぎて、良い面が見えづらくなっているのかもしれません。
良いところが見つからない時には、パートナーや会社の人に聞いてみるのもいいでしょう。
気付かなかった一面を知る機会になるかもしれません。
Q5:夫が怒った時に、私はどうすればいいですか?
A5:フォローに回りましょう。
同じテンションで怒ってしまうと、本人には逃げ道がありません。
厳しく注意をして凹んでしまっていたら、寄り添ってあげましょう。
旦那さんの意見を批判しないのは大切。
夫婦はあくまで同じ意見で統一していることを伝えます。
子どもの気持ちに寄り添いながら、旦那さんの意見をかみ砕いて説明しましょう。
ADHDの人への怒り方まとめ
いかがでしたでしょうか?
改めて、ADHDの人への怒り方10個を紹介します。
ADHDの人への怒り方①:感情的にならない
ADHDの人への怒り方②:本人が落ち着くまで待つ
ADHDの人への怒り方③:具体的な行動について話す
ADHDの人への怒り方④:どうすれば良いのかを教える
ADHDの人への怒り方⑤:なぜなぜと言わない
ADHDの人への怒り方⑥:自分で考えさせる
ADHDの人への怒り方⑦:他の人と比較しない
ADHDの人への怒り方⑧:傷ついている気持ちを伝える
ADHDの人への怒り方⑨:時には無視してみる
ADHDの人への怒り方⑩:努力を認める
怒りたくなくても怒らないといけない場面はあります。
けれど、ADHDの人も改善しようと頑張っています。
紹介したADHDの人への怒り方の手法を使って、ステキな毎日をお過ごしください!