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朝起きられないADHDの子どもへの7つの対策を臨床心理士が徹底解説!

ADHD 朝起きられない

この記事では、朝起きられないADHDの子どもへの対策についてお伝えします。

ADHDの子どもの70%以上は睡眠障害があると言われています。

朝起きられずに遅刻が続くと、不登校になってしまう心配も出てきますよね。

ここでは、親が起きるのが苦手なADHDのお子さんへの関わり方を紹介します。

私はADHDの息子がいるので、私の体験談も交えて解説するので、すぐに始められる7つの対策を是非チェックしてください!

 

この記事を書いてる人

精神科クリニック勤務の臨床心理士。児童相談所の相談員、スクールカウンセラーなどを経験。ADHDの息子を含む2人の子どもと日々格闘中(1勝99敗)。

 

朝起きられないADHDの子どもへの7つの対策を紹介!

朝起きられないADHDへの7つの対策

①睡眠時間を増やす

②入眠儀式を決める

③日中に身体を十分に動かす

④朝にワクワクする楽しみを作る

⑤日中の活動にストレスが無いか確認する

⑥睡眠環境を見直そう

⑦休日も平日もリズムを同じにする

 

朝起きられないADHDの子どもへの対策は上記の7つです。

睡眠環境を整えたり、日中の活動を見直したりすることで、朝起きやすくなります。

すぐに始められる対策もありますので、1つずつ確認していきましょう。

 

朝起きられないADHDの子への対策①:睡眠時間を増やす

朝起きられないADHDの子への対策の1つ目は、睡眠時間を増やすことです。

ADHDのお子さんが起きられない理由は、そもそも睡眠時間が短い可能性があります。

一般的に、子どもの睡眠時間は年々短くなってきており、必要な睡眠時間が取れていないことが分かっています。

特にADHDのお子さんの場合、寝つきに時間がかかったり、遅くまでゲームをしたりして十分な睡眠が確保出来ないケースがあるでしょう。

まずは、ADHDのお子さんがどれくらい睡眠を取れているか確認し、足りない場合は時間を延ばすようにしましょう。

 

朝起きられないADHDの子への対策②:入眠儀式を決める

2つ目の対策は、入眠儀式を決めることです。

朝起きられないADHDのお子さんは、寝付くまでに時間がかかっている場合があります。

その為、ADHDの子は寝るまでの流れを決めてルーティンにしましょう。

ADHDの子どもは、毎日同じ流れを作っておくことで、身体も寝る準備が整いやすくなります。

小さい子(小学生ぐらいまで)なら、寝る前にお布団で絵本の読み聞かせをするのも良いですね。

親子でゆったりと過ごす絵本の時間は、ADHDの子どもを安心させ、寝つきを良くします。

私の息子も、いつも絵本の時間を楽しみにしています(あまり興奮するような激しい内容の絵本は避けた方が良いですね)。

中学生ぐらいになると、遅くまでスマホやゲームなどに夢中になって寝るのが遅くなる恐れも…。

夜22時以降は、スマホをリビングに置くなどルールを決めて、入眠しやすいルーティンを作りましょう。

 

朝起きられないADHDの子への対策③:日中に身体を十分に動かす

朝起きられないADHDの子への3つ目の対策は、日中に身体を十分に動かすことです。

ADHDのお子さんはエネルギーがあります。

日中に公園で遊んだり、遠くまで歩いたりして体力を使えば、夜はぐっすり寝られるでしょう。

早く寝ることばかりを意識すると、身体が疲れていないので、寝つきに時間がかかってしまいます。

ADHDの子どもは、適度に外遊びの時間を作るのが大切ですね。

うちの息子が小さい時に、雨の日に外遊びが出来ないと、なかなか寝付けませんでした。

その為、天候が悪い時に使える屋内遊び場や、屋内プールなどを利用して、ADHDの息子を疲れさせていました。

日中に身体を動かせる場所をいくつか用意しておくと良いですね。

 

朝起きられないADHDの子への対策④:朝にワクワクする楽しみを作る

朝起きられない子には、朝にワクワクする楽しみを作ることが4つ目の対策です。

朝に楽しみがあれば、ADHDの子どもも早く起きたくなります。

報酬欲求の強いADHDの子にとって、楽しみがあるというのは効果的なモチベーションになります。

夜にゲームをするのではなく、朝にゲームの時間を作るのも良いですね。

うちのADHDの息子は、カップラーメンが何よりも好物!

朝からカップラーメンが食べられると約束した日は、びっくりするぐらい早く起きてきます。

その子によってワクワクは違いますが、楽しみになりそうなイベントを考えてみましょう。

 

ポイント

ワクワクする楽しみは、「やるべきことが終わったら出来る」というルール作りは大切です。楽しみに夢中で、朝の支度が全く進まない…なんて恐れもあります。ADHDの子どもと事前にルールを確認しておきましょう。

 

朝起きられないADHDの子への対策⑤:日中の活動にストレスが無いか確認する

朝起きられないADHDの子への5つ目の対策は、日中の活動にストレスが無いか確認することです。

朝起きられない理由として日中のストレスが関係している場合も少なくありません。

例えば、学校の勉強についていけないとか、友達からいじめられているとかが理由として考えられます。

日中の活動がストレスになっていると、朝起きるのが苦痛になっているのかもしれません。

中学生ぐらいになると、ストレス要因を聞いても答えてくれないケースも多くなります。

ADHDの子が日中の活動に渋っているようなら、一度先生とお話をしてみるのも大切でしょう。

 

朝起きられないADHDの子への対策⑥:睡眠環境を見直そう

朝が苦手な子への6つ目の対策は、睡眠環境を見直すことです。

普段寝ている環境が、睡眠の障害になっているかもしれません。

電車や車の音が聞こえる

光がまぶしく感じる

布団の柔らかさや素材の肌触りが苦手

ADHDの中には、感覚がとても敏感なお子さんが多くいます。

大人は気にならないような音や光に反応してしまい睡眠が妨げられてしまいます。

うちのADHDの息子の場合は、肌触りはとても大切でした。

慣れた布団から新しい布団に変えた途端に、寝つきが悪くなりました。

その為、昔から慣れている布団を変えずに今でも使っています。

朝起きられない子の睡眠環境についてもう一度見直してみるのも良いでしょう。

 

朝起きられないADHDの子への対策⑦:休日も平日もリズムを同じにする

朝起きられないADHDの子への最後の対策は、休日も平日もリズムを同じにすることです。

休日前に夜更かしをして、休日は遅くまで寝てしまうこともあるでしょう。

30分程度のズレであれば問題ありませんが、それ以上になるとリズムが崩れてしまいます。

可能な限り、休日と平日の生活リズムは変えないようにするのが大切です。

 

うちのADHDの息子(小学校低学年)の寝る時間は、

曜日 寝る時間
平日 21時~21時30分
金曜・土曜日 22時00分
日曜日 21時

 

と決めていました。

週末は少しだけ遅くまで起きていてもOKにしましたが、日曜日は必ず早く寝るようにしています。

特に月曜日の朝はリズムが崩れやすいので、日曜日の就寝時間は気を付けるようにしています。

朝起きるのが苦手なADHDの子の就寝リズムを安定させておきましょう。

 

ADHDの子どもが起きられない理由は?2つのタイプに分けてお伝えします!

ADHDの2つのタイプ

不注意の傾向が強い子:活動が終わらずに就寝時間が遅くなる

衝動性が強い子:ゲームやスマホに過集中してしまう

ADHDお子さんの2つのタイプと、それぞれの傾向についてまとめました。

ADHDのお子さんが起きられない理由は、タイプによる特徴が影響しています。

それぞれのタイプと特徴についてお伝えしますね。

 

朝起きられないADHDのタイプ①:不注意の傾向が強い子

朝起きられないADHDの1つ目のタイプは、不注意の傾向が強い子です。

不注意傾向が強いタイプは、日中の活動が終わらない場合があります。

遅くまで宿題に取り組んでいて、気づいたら就寝時間を超えてしまうなんて恐れも…。

活動が終わらないのに寝ようとすると、「あれまだやらなきゃ…。」と考えて、寝つきに時間がかかりやすくなるでしょう。

 

朝起きられないADHDのタイプ②:衝動性が強い子

朝起きられないADHDの2つ目のタイプは、衝動性が強い子です。

自分がやりたいと思った活動(ゲームやSNSなど)を止めるのは苦手です。

特にゲームなどを続けると、脳が覚醒しクールダウンするまで時間がかかりやすくなります。

中学生ぐらいになると、一晩中スマホを手放せずに昼夜逆転の生活になってしまう子も多いでしょう。

その結果、夜に何度も起きてしまったり、生活リズムが崩れやすくなるでしょう。

 

朝起きられないADHDの子どもへの対策についてまとめ

この記事のまとめ

・睡眠時間を十分に確保する

・入眠前のリズムをルーティン化する

・日中の活動にストレスが無いかチェックする

・休日と平日のリズムを変えない

・ADHDの2つのタイプによって起きられない理由が違う

 

以上のような内容をお伝えしました。

ADHDのお子さんにとって、朝のリズムを作ることは大切です。

朝起きられないADHDのお子さんが健康的な生活を送れるように、今回紹介した対策を是非参考にしてください!

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