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ADHDは説明が下手なの?苦手な理由や5つの改善策を臨床心理士が徹底解説!

ADHD 説明が下手

この記事では、ADHDの人が説明が下手なことについてお伝えします。

ADHDの人が上手に説明できない理由や、その改善方法についても紹介していきます。

説明が苦手なADHDの当事者はもちろん、家族や支援をする方も是非最後までチェックしてくださいね!

この記事を書いている人

臨床心理士。現在メンタルクリニック及びカウンセリングルーム室長として勤務。スクールカウンセラーや児童福祉施設にてサポート経験あり。年間1200件以上のカウンセリングでは、発達障害者の支援には定評あり。

 

ADHDの人が説明が下手な5つの理由を紹介します!

説明が下手な5つの理由

1.集中力や注意力不足

2.情報処理の遅れ

3.言葉の出し方が上手くない

4.緊張や不安が高い

5.相手の反応が分からない

ADHDの人が説明が下手な理由は上記の5つです。

集中力が続かずに本題から逸れてしまったり、相手の反応を無視して話し続けてしまったり…。

ADHDの人が失敗しやすい理由を1つずつ紹介しますので、まずは課題の部分から確認してみましょう!

 

説明が下手な理由①:集中力や注意力の不足

説明が苦手な1つ目の理由は、集中力や注意力が不足していることです。

ADHDの人は、集中力や注意力が短く、別のことに気が散ってしまいます。

そのため、説明する内容に集中できないことで説明が下手になります。

集中力を妨げる理由としては、脳内の情報処理の働きが低下しているからです。

また、ADHDの人は刺激を求めやすい傾向があるため、新しいことに飛びついてしまい注意がそれてしまいます。

気が付いたら他のことを考えてる…なんて状態が、説明を苦手にさせているのでしょう。

 

説明が下手な理由②:情報処理の遅れ

ADHDの人の説明が苦手な理由の2つ目は、情報処理の遅れがあることです。

ADHDの人は、頭の中にある情報処理を行う部分の働きがゆっくりです。

そのため、いくつかの情報を同時に処理するのが得意ではありません。

ADHDの人は、思考をまとめるのが苦手なので、どうしても説明する内容を整理するのにも時間がかかります。

その結果、ADHDの人は説明が下手だと言われてしまうのでしょう。

 

説明が下手な理由③:言葉の出し方が上手くない

3つ目の理由は、言葉の出し方が上手くないことです。

ADHDの人は、思考が1つに止まらずあちこち考えが飛び跳ねて落ち着きません。

その結果、頭のスピードと実際口に出す言葉との間にギャップができます。

時には、自分の考えを全部説明して話が長くなってしまったり言葉足らずで伝わらないなんてことも…。

相手に一番伝えたいことが伝わらないので、説明が下手だと言われてしまいます。

 

説明が下手な理由④:緊張や不安が高い:

説明が苦手なADHDの人の中には、緊張や不安が高い人がいるのが4つ目の理由です。

ADHDの人は注意があちこちに向きやすい為、相手の反応や周りの状況に敏感になりやすいからです。

また、過去に説明が上手に出来なかった体験(失敗体験)があると、余計に失敗を恐れて不安を感じやすくなります。

その結果、人前で話す時に緊張して頭が真っ白になるなんてことも…。

ADHDの人の中には人前の緊張が理由で説明が苦手な方も多くいるでしょう。

 

説明が下手な理由⑤:相手の反応が分からない

ADHDの人が説明を苦手にしている最後の理由は、相手の反応が分からないことです。

ADHDの人は、相手の気持ちや感情を察知するのが苦手な傾向があります。

周りからの情報をキャッチする力はあるのですが、それがどういう意味かを理解できていません。

その為、時には一方的な物言いになってしまいます。

相手が話についていけていないことに気付かず、自分の好きな話題を1時間話してしまうなんてミスも…。

相手の反応をキャッチできない結果、説明が下手な人だと思われてしまいます。

 

説明が下手なADHDの人が出来る改善策とは?5つのポイントを意識してみましょう!

説明下手の改善ポイント

1.伝える話題はシンプルかつ1個にする

2.相手の反応を確認しながら話す

3.事前に伝える内容を書き出して整理する

4.言葉だけでなく図やメールなどを利用する

5.相手の興味ある内容を盛り込んでみる

説明が苦手なADHDの人が改善を目指すなら、上記の5つのポイントが大切です。

伝える内容を1つに絞ったり、口頭の説明以外の手段を取り入れるのも良いですね。

1つずつ説明するので、説明の改善を目指しているADHDの方は是非取り入れてくださいね。

 

説明の改善ポイント①:伝える話題はシンプルかつ1個にする

ADHDの人が説明の仕方を改善する1つ目のポイントは、伝える話題をシンプルにすることです。

ADHDの人は、思考の幅が広く豊かな面があります。

ただ、複雑な内容だったり、本題から飛躍した考えは相手に届きません。

「何を言っているんだろう?」と思われて、あとは話を聞いてもらえません。

その為、なるべくシンプルに説明するのが大切です。

話題は1つに絞ってお話をしてみましょう。

もし、話題が複数ある時は、「3つ説明したいことがあります。」と、先に相手に伝えておきます。

相手も、3つある前提で話を聞くので、理解してもらいやすくなるでしょう。

 

説明の改善ポイント②:相手の反応を確認しながら話す

改善する2つ目のポイントは、相手の反応を確認しながら話すことです。

ADHDの人は相手の気持ちを察することが苦手です。

その為、人一倍相手を気にして疲れてしまうこともあります。

その逆に、自分の興味ある話題は相手の反応も見ないで一方的に話してしまうこともあるかもしれません。

説明を改善するためには、適度に相手の反応を確認するのが大切です。

「ここまでのお話は伝わっていますか?」と直接聞いてもらっても良いですね。

その他にも、説明の時間を決めるのも1つです。

5分でまとめて説明してから、相手の質問に答えるようにすれば、説明のズレを修繕できるでしょう。

 

説明の改善ポイント③:事前に伝える内容を書き出して整理する

ADHDの人が説明を改善するには、事前に書き出して整理するのも大切なポイントです。

ADHDの人は衝動性が高いため、話したくなったタイミングで話し始めてしまいます。

話の展開や最後の落ちまで考えていません。

その為、話をする前に伝えたい内容を書き出してみましょう。

伝えたいポイントや聞きたい内容を箇条書き程度にまとめておくことで話が分かりやすくなります。

頭の中も整理しやすくなるので、説明が苦手なADHDの方も落ち着いて説明が出来るでしょう。

 

説明の改善ポイント④:言葉だけでなく図やメールなどを利用する

説明の改善ポイントの4つ目は、言葉だけでなく図やメールなどを利用することです。

ADHDの人は頭の中の情報を整理したりするよりも、目に見える形にした方が整理しやすい傾向があります。

その為、コミュニケーションを言葉だけに頼らずに他のツールを利用しましょう。

例えば、図や写真などは分かりやすいですね。

相手と一緒に図を見ながら話せば、言葉が迷子にならず課題にフォーカスしやすくなります。

また、その場で返答するのが難しいならメール対応も良いですね。

時間をかけて答えられるので、相手の反応を気にせず落ち着いて対応しやすくなるでしょう。

 

説明の改善ポイント⑤:相手の興味ある内容を盛り込む

ADHDの人が説明を改善するための5つ目のポイントは、相手の興味を内容に盛り込むことです。

説明をする内容に相手が興味を持てば、相手は理解しやすくなります。

例えば、相手が釣り好きなら、説明する内容に「釣りに関連した具体例」を盛り込むことです。

「この商品が市場に出たら、日曜日に防波堤でアジを釣るつもりがマグロが釣れちゃったぐらいの衝撃が走りますよ。」といった感じです。

相手に説明を届けやすくするためには、相手に質問をして関心や興味を探っていきましょう。

 

ADHDが説明が下手なことについてまとめ

この記事のまとめ

集中力が続かず話が変わりやすい

思考のスピードに言葉がついていけない

1つのテーマに絞ってシンプルに話す

相手の反応を見ながら説明をする

図や写真など目に見えるツールを使うのもあり

以上の内容をお伝えしました。

説明が下手なADHDの人も、事前準備などの工夫をすれば上手に説明できます。

お伝えした方法を取り入れながら、説明の仕方を是非練習してみてくださいね!

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