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ADHDの子への効果的な指示の出し方は?CCQテクニックが鉄板【今日から使える】

効果的な指示の出し方

 

この記事では、ADHDの子への指示の出し方についてお伝えします。

ADHDの子は、耳からの情報が入りづらいと分かっていても、親から指示を出す時ってありますよね。

私のADHDの息子もびっくりするぐらい指示を聞いていません。

ここで紹介するCCQのテクニックを利用すれば、お子さんは今までよりスムーズに動けるようになります。

指示出しのポイントもお伝えしますので、効果的な指示だしの方法を知りたい方は最後までチェックしましょう!

 

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この記事を書いてる人

精神科クリニック勤務の臨床心理士。児童相談所の相談員、スクールカウンセラーなどを経験。ADHDの息子を含む2人の子どもと日々格闘中(1勝99敗)。

 

【まず確認】CCQとはADHDの人に効果的な指示の出し方です

 

CCQの意味

C(Calm)=おだやかに

C(Close)=子どもに近づいて

Q(Quiet)=静かな声で

CCQとは、上記のように3つの頭文字を取った指示出しの方法です。

「穏やかな姿勢で、子どもに近づき、静かな声で伝える。」

CCQは、ペアレントトレーニングでも効果的な方法として必ず紹介されています。

上から1つずつ紹介するので、基本的なCCQのポイントを確認していきましょう!

CCQのポイント①:おだやかに(Calm)

CCQの1つ目のポイントは、おだやかに伝えることです。

ADHDの子へ指示を出す親は、穏やかな姿勢を心がけます。

お子さんが言うことを聞かないと、親だってイライラしますよね。

すると、身体も熱くなるし、言動が乱暴になります。

深呼吸をして、こころを穏やかにしてから伝えましょう。

CCQのポイント②:子どもに近づいて(Close)

CCQのポイントの2つ目は、子どもに近づくことです。

遠くから指示を出しても、相手には届きません。

ADHDの子は、耳からの情報が入りづらいのが特徴です。

何かに集中していると、周りの声なんて届きません。

しっかりと子どもに近づき、相手の目線と同じ位置にまで目線を下げます。

子どもの目を見ながら指示を出すように意識しましょう。

CCQのポイント③:静かな声で(Quiet)

CCQの最後のポイントは、静かな声で伝えることです。

先ほどお伝えしたように、穏かな態度で静かにお子さんに指示を出しましょう。

お子さんがゲームに夢中だったり、視線が向かない場合もあります。

そのような時には、しずかな口調で繰り返しを呼んで、目を合わせてから話すようにすると良いですね。

ポイント

お子さんがもし泣いたり叫んだりと興奮しているようであれば、落ち着くまで待ちましょう。感情的になっている時には頭に入りません。少しクールダウンをさせてからお話をすると、良いでしょう。

 

ADHDの子へ指示を出す時に知っておきたい3つのテクニックを紹介します!

 

ADHDの子への指示出しテクニック3つ

・指示は1つだけ

・くり返し同じ言葉を伝える(ブロークンレコード法)

・行動したらすかさず褒める

ADHDの子への指示の出し方は上記の3つです。

先ほど紹介したCCQは、指示出しの基礎となります。

ここでは、指示を出す時に知っておくと効果的なテクニックを3つ紹介します。

1つずつ解説するので、ADHDのお子さんに合った方法は無いか確認してみてくださいね。

ADHDの子への指示の出し方①:指示は1つだけ

ADHDの子への指示の出し方の1つ目のポイントは、指示を1つだけにすることです。

ADHDの子は、何個も指示を出すと、途中の指示は忘れてしまいます。

「食べたら食器を片づけて、その後歯磨きをしたらテレビ見ていいよ。」

こんな伝え方をするとどうなるか?

最後の「テレビを見ていいよ。」だけがインプットされてしまう恐れも…。

指示出しは1つずつにしましょう。

さらに、最初の指示は、なるべく簡単なものが良いですね。

ADHDの子は、行動の切り替えが苦手なのが特性の1つです。

簡単な指示で動き始めたら、徐々に負担になりやすい作業を伝えるようにしましょうね。

ADHDの子への指示の出し方②:くり返し同じ言葉を伝える(ブロークンレコード法)

2つ目の指示出しのポイントは、繰り返し同じ言葉を伝えることです。

ブロークンレコードとは、「壊れたレコード」のこと。

何度も繰り返し同じ言葉をリピートする状態です。

ADHDのお子さんは、あれこれ理由をつけてやらない方向に持っていきます(話題をすり替えたりします)。

お子さんが何を言っても気にせず、同じ言葉を繰り返します。

言い方や言葉も変えません。

ADHDのお子さんも諦めて、指示に従うようになりますよ。

ADHDの子への指示の出し方③:行動したらすかさず褒める

最後の指示だしポイントは、行動したらすかさず褒めることです。

行動に移したら、すぐさま褒めましょう。

「ちゃんと歯を磨けたね。えらかったよ。」

子どもは褒められると気分が良くなり、良い行動を繰り返すようになります。

もしADHDのお子さんが動き出さず、褒められないと感じたら、動かないことを褒めます。

「歯を磨く準備をしなきゃってちゃんと考えているようだね(違ってもOK)」。

ちょっとでも動き出したら、「おー、早速やり始めた。行動できて偉いね。」

歯磨きが終了するまでの途中経過を褒めることを意識してみましょう。

 

発達障害の息子にCCQで指示を出してみた【みすぎ家の場合】

CCQみすぎ家

ADHDの息子にCCQを使って指示を出しをしました。

どんなやり取りになったのか?早速紹介します!

ADHDの息子が登校準備をしない…

ADHDの息子は、朝の支度に時間がかかります。

平日の朝、登校準備をせずに、けん玉を始めたり漫画を読んだり。

これまでは、優しく言い続けて、ダメなら実力行使(遊んでいるものを取り上げる)。

取り上げられた息子は不機嫌になり、さらに行動が遅くなってました。

CCQを意識して、同じような場面で違うアプローチをしてみました。

 

けん玉に夢中の息子。

今まではキッチンから呼びかけていました。

イライラした口調で。

「落ち着け…。」深呼吸をして気持ちを落ち着かせます。

「CCQ。CCQ」と独り言。ゆっくりと近づき、息子を呼びました。

 

すぐにこちらを向かず、けん玉を続ける息子。

何度か名前を呼ぶと、こちらを振りむき、「なに?」と。

少し戦闘モード。

言い方に腹が立つが、ここで怒ってはいかん。

「歯を磨こう。」静かに伝えてみます。

すると、「うん、分かった。」と素直な返事。

 

 「え?」

拍子抜けしました。

 

今日は調子いいぞ…と思ったのも一瞬だけ。

返事が良かっただけで、歯を磨きに行きません。

けん玉を続けます。

 

もう一度「聞いているか?歯を磨きます。」。

今度は無視。

「やばいやばい、ボルテージがあがりそうだ。CCQだ。CCQなんだ。」(こころの声)。

このまま一緒にいると、自分が冷静でいられない。

そう判断して、一度離れます。

 

離れた後も、動かない息子。

ボルテージは上がったままの私。

私は、表面上は理解あるパパ。

再度息子のところに向かいます。

今度は、彼の正面に立って「今は歯を磨きます。」

すると、息子は、「わかったよ。」と少し不満そうでしたが、洗面所へ。

(この後、15秒ぐらいで歯を磨き終わった彼に、「もっとしっかり歯を…」と言いたい気持ちを抑えます。)

 

「歯を磨けて偉かったな。」と褒めてみる。

こちらを無視してけん玉を再開する息子。

 

 最後に心の中で言います。

「息子も頑張った。けど、俺も頑張ったよな。」

体験して分かったのは目的を忘れないのが大事

ADHDの息子は、結果的に歯を磨くという行動をしました。

私なりに穏かな口調を意識したり、繰り返しの言葉を使って指示を出しました。

今までの私は、同じような場面だと「息子の言い方がおかしい」「歯磨きに15秒なんて短い」など、他のことにイライラしがちだったなと。

「なんだその言い方は!」

「15秒なんて短い。もっとしっかり歯を磨きなさい」

なんてやり取りをしていました。

けれど、今回の指示の目的は歯を磨くこと。

時間の長さやふてぶてしい言動は目的ではありません。

まずは歯を磨けるようになってから、少しずつ行動を良くしていくのが大切なんですよね。

 

ADHDの子への効果的な指示の出し方についてまとめ

この記事のまとめ

・CCQはADHDの子に効果的な指示の出し方

・「穏やかな姿勢で、子どもに近づき、静かな声で伝える。」が大事

・同じ言葉を繰り返して伝える

・指示の最後は褒めることで効果アップ

・指示目的を忘れないように気を付ける

以上の内容をお伝えしました。

ADHDの子どもと関わるのは、とても苦労します。

特に親側の感情をコントロールするのは私もまだまだ出来ません。

ただ、今回紹介した方法でADHDのお子さんとの関わり方を変えれば、ぶつかりやすい場面を避けられます。

是非一度試してみてくださいね。

 

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