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ADHDの人は時間管理が苦手?難しい理由や7つの改善方法を臨床心理士が完全解説!

ADHD 時間管理

この記事では、ADHDの人の時間管理についてお伝えします。

多くのADHDの人は、予定通りにタスクが進まず、周囲から批判され自信を失う機会があります。

なぜ時間管理がうまくいかないのか?

ADHDの人が時間管理を苦手にしているのは、5つの理由があります。

それぞれの理由や、おすすめの改善方法などもあわせて紹介します。

仕事の効率を上げたいADHDの方は、是非最後まで読み進めてください!

 

目次

ADHDの人が時間管理が苦手な5つの理由を紹介!

時間管理が苦手な理由

  1. 物事の優先順位を決めるのが苦手
  2. 興味があることに集中しすぎる(過集中)
  3. 時間の感覚がゆっくり感じられる
  4. タスクや予定を忘れてしまう
  5. 物事を先送りにしがち

ADHDの人が時間管理が苦手な理由は以上の5つです。

物事の優先順位を決めるのが苦手なことや、タスクを忘れてしまうことが、特に大きな理由として考えられます。

ひとつずつ紹介をしますので、ADHDの人がなぜ時間管理が苦手なのかを確認していきましょう!

時間管理が苦手な理由①:物事の優先順位を決めるのが苦手

ADHDの人が時間管理が苦手な理由の1つ目は、物事の優先順位を決めるのが苦手なことです。

ADHDの人は、目の前の刺激に影響されやすい傾向があります。

そのため、目の前に別のタスクが来ると、ADHDの人は新しいタスクに飛びついてしまいます。

結果的に、やるべきタスクが中途半端に終わってしまうなんてことも…。

ADHDの人は、優先順位を決めるのが上手ではないので、時間のコントロールが難しくなります。

時間管理が苦手な理由②:興味があることに集中しすぎる(過集中)

2つ目の理由は、興味があることに集中しすぎてしまうことです。

ADHDの人は、興味の有無によってパフォーマンスが大きく変わる特徴があります。

興味が無ければ、一ミリも動きたくないのですが、興味があれば寝食も忘れて没頭します。

そのため、気づいたら数時間経っていたなんてこともザラにあります。

ADHDの人は集中力があるというメリットにもなりますが、逆に時間管理の面で言うと、時間内に収めるのが苦手だとも言えるでしょう。

時間管理が苦手な理由③:時間の感覚がゆっくり感じられる

理由の3つ目は、時間の感覚がゆっくり感じられることです。

ADHDの人は、定型発達の人と比べて時間の流れが遅く感じやすいという研究結果があります。

例えば、時計を見ないで1分間経ったら手を挙げるというゲームをしたら、ADHDの人は、1分を待たずに手を挙げるでしょう。

実際の時間の流れと、体感の時間の流れとの違いは、管理をする上でズレが生まれやすくなります。

その結果、時間管理が予定通りにできないことに繋がりやすくなるでしょう。

時間管理が苦手な理由④:タスクや予定を忘れてしまう

ADHDの人が時間管理を苦手とする理由の4つ目は、タスクや予定を忘れてしまうことです。

一般的にADHDの人は、ワーキングメモリー(頭の中に情報を取り込んで、一時的に保管したり、その情報を利用する能力)が低い傾向があります。

そのため、ADHDの人は聞いたことをすぐに忘れてしまいます。

大事な会議や打ち合わせなどを忘れてしまうと、仕事上でも問題になりやすいですよね。

ADHDの人はタスクを忘れてしまうことで、予定通りに進めなくなってしまいます。

時間管理が苦手な理由⑤:物事を先送りにしがち

ADHDの人が時間管理が苦手な最後の理由は、物事を先送りにしてしまうことです。

ADHDの人は、興味関心の低いものや、少し面倒に感じるタスクを先延ばしにするk。

後でやろうと先延ばしにして、結果的に忘れてしまったり、期限までに間に合わなかったりします。

次はちゃんとやろう!と心に決めるのですが、同じ失敗を繰り返してしまいます。

ADHDの人は本来持っている特性として後回しにしてしまうことで、時間管理が上手くいかない時が多いでしょう。

以上5つの理由により、ADHDの人は時間管理を上手に進められません。

次の章では、おすすめの時間管理方法を紹介しますので、しっかり確認していきましょう!

 

ADHDの人におすすめする7つの時間管理方法を完全解説!

おすすめの時間管理方法

  1. ToDoリストを作成する
  2. 予定を分解して具体的な行動を書く
  3. タスクごとにかかる時間を把握する
  4. タスクの管理は1か所にまとめる
  5. スケジュール確認の時間を設定する
  6. 整理整頓する時間を設ける
  7. 周りに声掛けをお願いをする

ADHDの人におすすめする時間管理方法は以上の7つです。

今日からでも始められる7つの方法を厳選しました。

ひとつずつ紹介しますので、あなたに合った方法を見つけて、今よりも上手に時間管理が出来るようになってくださいね。

おすすめの時間管理方法①:ToDoリストを作成する

ADHDの人におすすめする方法の1つ目は、ToDoリストを作ることです。

ToDoリストとは、抱えているすべてのタスクを書き込んだリストです。

リストにしておけば、いつでも確認が出来るので忘れ物を防止できますよね。

ADHDの人は忘れっぽいのが特徴ですが、大切なポイントは、忘れてもOKな状態を作っておくことです。

ADHDの人がタスクを忘れないためにも、ToDoリストに書き出しておきましょう。

おすすめの時間管理方法②:予定を分解して具体的な行動を書く

2つ目の方法は、予定を分解して具体的な行動レベルににして書くことです。

スケジュールに書き込むときに、「資料を提出する」「Bさんとの面談」といった大まかな予定は失敗に繋がります。

なぜなら、資料を提出するまでのプロセスとして、情報収集→執筆→校正→上司のチェックなどがあるからです。

予定を分解しておくことで、ひとつずつのタスクの負担を減らす効果もあります(後回しにしたくなる気持ちを抑えます)。

時間管理を上手に進めるためにも、あいまいな工程を書くのではなく、具体的な行動を書くようにしましょう!

おすすめの時間管理方法③:タスクごとにかかる時間を把握する

方法の3つ目は、タスクごとの時間を把握することです。

ADHDの人は、自分のイメージしている時間と、実際の時間にギャップが生まれやすい傾向があります。

そのため、1時間程度で終わると思っていても、実は1時間半かかってしまうなんてことも…。

ひとつの時間のずれも、溜まってくると大きなずれに繋がりますよね。

時間を管理するためには、実際にかかる時間を把握しておくことが大切です。

おすすめの時間管理方法④:タスクの管理は1か所にまとめる

おすすめする時間管理方法の4つ目は、タスクの管理を1か所にすることです。

先ほどもお伝えした通り、タスクを書き出しておくのは大切です。

しかし、書き出したものが、PCやスマホ、手帳の中などバラバラになっていると把握が難しくなります。

せっかく書き出したタスクがどこにあるのか分からなくなってしまうなんて恐れも…。

情報を一か所にまとめておけば、ここを確認すればOKとなるので、管理が楽になります。

ADHDの人は、管理する場所を複数に広げず、1か所にまとめておくように意識しておきましょう。

おすすめの時間管理方法⑤:スケジュール確認の時間を設定する

ADHDの人におすすめする5つ目の方法は、スケジュールを確認する時間を決めておくことです。

せっかく作ったToDoリストやスケジュールは、利用しなければ意味がありませんよね。

スケジュールをチェックする時間を一日の中で決めてしまいましょう。

その際には、時間で決めても良いですが、一日のイベントとセットにするのがおすすめです。

例えば、

朝ごはんの後にチェック
昼ご飯の後にチェック
会社から帰る前にチェック

などがいいですね。

定期的にスケジュールを確認すると、時間管理を意識しやすくなるでしょう。

おすすめの時間管理方法⑥:整理整頓する時間を設ける

ADHDの人におすすめする6つ目の時間管理方法は、整理整頓の時間を作ることです。

ADHDの方は、片付けをするのが苦手な人が多いです。

机の周りがぐちゃぐちゃになってしまい、必要なものがなかなか見つからないなんてことも…。

その結果、仕事に取り掛かるまでにたくさん時間がかかってしまいます。

整理整頓はこまめに行う方が、効率的で負担も少なくなります。

定期的な片づけをするには、時間を決めるのが大事です。

汚くなってから始めるのではなく、ルーティンワークにしてしまいましょう。

おすすめの時間管理方法⑦:周りに声掛けをお願いをする

ADHDの人は、周りに声をかけてサポートを依頼するのもおすすめです。

ADHDの人は、「次こそはちゃんとやろう。」と、これまでに何度も努力をしています。

しかし、時間管理がうまくいきません。

それでも、頑なに自分でやろうとしていることが問題です。

自分が苦手なことを周囲に知ってもらい、周りにサポートしてもらいましょう。

苦手なことはお願いをして、得意なことでお返しをしてみてください。

ADHDの人は、周りに声を掛け合いながら、時間管理を上手に進めていきましょう!

 

ADHDの時間管理についてよくある5つの質問にお答えします

効果的な指示の出し方

ADHDの時間管理について良く聞かれる質問が5つあります。

ひとつずつ紹介しますので、気になるポイントを確認して、時間管理に役立ててください。

Q1:時間管理を始めても三日坊主になってしまうんですが…。

A1:自分にご褒美をあげて習慣化しましょう。

何か新しいことを始めるのは簡単ですが、継続するのは難しいものです。

ADHDの人は、自分にご褒美を用意すると行動の継続率が高まります。

ADHDの人の特徴の一つは、報酬欲求が高いことです。

具体的なご褒美があると、ADHDの人は頑張りやすくなります。

ご褒美を考える際のポイントは、「将来の大きいプレゼントより、目の前の小さなプレゼントを繰り返すこと」です。

目の前のご褒美に向けて頑張り続けられると、いつの間にか習慣化しやすくなりますよ。

Q2:時間管理方法は、大人も子どもも一緒ですか?

A1:基本的に大人も子どもも対応策は同じです。

ただ、子どもの場合は親や先生などサポートを得やすくなります。

そのため、子どもの方が周囲から励ましてもらったり、手伝ってもらいやすいですよね。

大人になると、「それぐらい自分でやれ」と言われてしまい、協力が得られにくくなります。

大人になっても困り感は一緒ですので、ADHDの人は周りからのサポートをもらいながら時間管理を取り組んでいきましょう!

Q3:時間管理におすすめの本はありますか?

A3:ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブックがおすすめです。

この本は、ADHDの特徴を捉えていて、アイディアも満載!時間管理のためのワークも豊富に書かれています。

つまづきやすいポイントについても丁寧に触れているので、時間管理を始めたい人や、やってみたけれどうまく出来ない人にもおすすめです!

本の詳細を知りたい方は、以下のリンクからチェックしてみましょう!

ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック

Q4:時間管理におすすめのアプリはありますか?

A4:ルーチンタイマーがおすすめです。

ルーチンタイマーは、ADHDの人が時間管理につまづきやすいポイントを余すことなくフォローしたアプリです。

残り時間を知らせてくれたり、視覚的に見やすく色分けして表示してくれます。

私のADHDの息子も朝の支度や、宿題をする時には活用しています。

ルーチンタイマーの私のレビューや口コミを紹介している記事があるので、詳細を知りたい方はチェックしてください。

>>【ルーチンタイマー】時間管理アプリをADHDの息子に使ってみた!

Q5:時間管理は大切なんだろうけれど、やる気が出ないです…。

A5:グループワークに参加してみるのもおすすめです。

ひとりで時間管理を始めるのは簡単ですが、継続するのは難しくなります。

継続するには、一定の強制力は必要でしょう。

医療機関などではADHDの人のグループワークを行っている場所もあります。

同じような課題を抱えているADHDの人と一緒に取り組めば、やる気も少し出やすくなります。

お住まいの近くでグループワークを行っていないか、調べてみましょう!

 

ADHDの人の時間管理方法のまとめ

ADHD 時間感覚

この記事のまとめ

ADHDの人が時間管理が苦手なのは優先順位を決められないから
ADHDの人は時間感覚のズレから予定通りに進められない
時間管理を始めるならToDoリストの作成が大切
ADHDの人はまわりのサポートを得ながら時間管理をする

以上の内容でお届けしました。

ADHDの人が時間管理を上手に進めるには、工夫が大切です。

ADHDの人は、なぜ時間管理が苦手なのかを理解し、おすすめした7つのポイントを是非試してみてください。

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