カウンセリングをしていると、
「過去の話をしても、過去は変えられないから意味がない。」
そんな風に言われることがあります。
まったくその通り。
過去の事実は、変えられません。
記憶を完全に消し去ることも出来ません。
では、何ができるのか?
過去の捉え方が変えられます。
ある人が過去に引きこもっていました。学生時代から10年間。長い時間です。
けれど、彼は一念発起してプログラミングの勉強をし、
いまや月100万ほど稼ぐ人になりました。
この人は、引きこもりの時代を振り返り、
「あの引きこもりの時代があったからこそ、今がある。」
そんな風に過去を捉えることができます。
一方で、別の人は、同様に10年間引きこもりの生活を送っていました。
その人は、学歴も無く、仕事の経験も少なかったため、今でもアルバイトを掛け持ちしながら、日銭を稼ぎながら生活をしています。
引きこもりの時代を振り返り、
「あの時、引きこもってなければ、こんな人生じゃなかったのに。」
そんな風に過去を捉えています。
この二人にとって、「引きこもった10年間」って全く捉え方が違っています。
あの時代があったから今がある。
言葉は同じですが、ポジティブにもネガティブにもなっています。
今のあなたの生活が、より自分の夢に近づいていれば、
過去は苦しくても、良かった過去になります。
学びの時間だったと考えることが出来ます。
一方で、自分の夢とは、かけ離れていると、
過去は悪かった経験になります。
過去を規定しているのは、「今のあなた」です。
今のあなたがどのように生活をしているかによって、変わってくるのです。
過去に捉われ、縛られた生活を送っているとしたら、過去は過去にならないでしょう。
けれど、一歩前に進むことで、過去と距離を取れるようになります。
そんな簡単なことではない。
まったくその通りです。
けれど、出来ないことはありません。
少しの勇気を持てば出来ることがあります。
失敗を恥ずかしいと思わず、
今という時間を丁寧に、
コツコツと積み上げていくことで、
過去は過去となり、
そして、意味のある過去になるのです。