コミュニケーション力を高めたいって思いませんか?
コミュニケーションが上手になれば、得することは沢山あります。
営業で良い成績
大切なパートナーと良い時間
気持ちを伝えてストレスが減る
この記事では、コミュニケーション力を高める方法として、「私メッセージ」を解説します。
前半では、私メッセージとは何かを解説します。後半は、実践例を挙げながら、私メッセージの練習方法を紹介!
この記事を読んだら、明日から周囲と上手にコミュニケーションが取れるようになりますよ。
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目次
私メッセージとは、自分を主語にする方法
私メッセージとは、アサーションで使われるテクニックのひとつです。
「私」を主語にして話すことを意識します。
例えば、
(私は)とても悲しいです。
(私は)仕事に追われてしんどいです。
(私は)あなたの言葉を聞いて、自分がダメだと責める気持ちがあります。
常に主語を自分として話す方法です。
私メッセージを使うのは、あくまで自分の気持ちです。
相手の行動変容を強要したり、テリトリーを侵害している訳ではありません。
あくまで相手の選択肢は残しています。
メッセージとしては柔らかく、相手に受け止められやすくなります。
そんなの普通じゃない?
そう思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際に日本語では、主語を言わずに発言する場面がほとんどです。主語が誰?ってメッセージは、相手に届きにくくなります。
また、コミュニケーションが円滑に進まない方法のひとつに、「あなたメッセージ」があります。それってどんな方法でしょうか?
あなたメッセージとは、相手を主語にする方法
私メッセージが、「私」を主語にするのに対し、「あなた」を主語にするのが、あなたメッセージです。
例えば、
(あなたは)私の気持ちに気付いてないの?
(あなたは)仕事をどんどん押し付けてくる。
(あなたは)もっと早く動いてよ。
「あなた」を主語にすると、どうしても命令口調になります。
言葉が強くなり、相手を責めるような言い方にもなりやすいでしょう。
あなたメッセージを聞いた側は、一方的に言われた感じがするし、つい反発したい気持ちにもなります。
私メッセージとあなたメッセージのメリットとデメリットを知ろう!
なんとなく、私メッセージの方が良さそうな印象がありませんか?
私メッセージの方が相手と良いコミュニケーションをするには、メリットが多くあります。
けれど、【時と場合】によります。
メリットとデメリットは以下の通り。
私メッセージ | あなたメッセージ | |
メリット | 表現がやわらかい
自分の気持ちを伝えやすい 相手も意見を言いやすい |
相手に指示が出来る
直接的な言い方が出来る |
デメリット | 表現がまわりくどい
相手が意図を理解できにくい |
相手が意見を言いにくい
喧嘩になりやすい |
使う場面 | 同じ立場で話し合い
自分の気持ちを分かって欲しい時 |
指導する時
緊急時 |
私メッセージのメリットデメリットについて紹介します。
私メッセージは相手と対等に話したい時に使えます
私メッセージのメリットは、対等な立場での話し合いに使えますね。表現が柔らかくなりやすく、命令口調にはなりやすいでしょう。その為、自分の意見も適切に伝えられるし、相手も話しやすい雰囲気を作ることが出来ます。
一方で、表現がまわりくどくなりやすいのがデメリット。「(気持ちは分かったけど)何が言いたいの?」と思われることもあります。具体的な指示などには向かない表現方法になりますね。
あなたメッセージは相手に指導する時には使えます
あなたメッセージは、一方的な指導的表現になります。その為、上司から部下に指導する時には使いやすい方法です。指示理解が分かりやすく具体的なメッセージになりやすいでしょう。また、子どもが危険な状況で、すぐ対処しないといけない場面では必須の方法でしょう。
一方で、対等な言い方ではないので、言い争いになることもあるでしょう。「そっちだってやってないじゃないか!」など、お互いを批判するような会話に発展しやすくなります。言い方には注意が必要なのが、あなたメッセージですね。
では、日常でどんな風に使い分けたら良いでしょう?
私メッセージを練習してみよう【場面別の実践例を紹介】
私メッセージを実際に使う練習をしてみましょう。
ここでは3つの場面を例として紹介しますので、一緒に考えてみましょう。
私メッセージの実践例①:職場で私メッセージを使う
職場で使うことで、同僚や上司、部下との関係を円滑に回すことができます。
「(あなたは)書類の作成はどうなってるの?何も報告が無いし。今日中にどうにかしろよ。」
⇓
「(私は)今日が期限の書類が提出されないことが、少し気がかりになっています。今の状況だけでも教えてもらえると、(私は)状況が分かるからありがたいんだよね。」
「(あなたは)何回間違えれば気が済むの?提出する前にチェックしろって言ったよな。もう一度最初からやり直しだ!」
⇓
「(私は)ミスが繰り返されている状況が、とっても気になっています。分からないところを教えてもらえると、(私は)あなたに説明をして理解してもらえるのではないかと思っている。」
あなたメッセージを使って、相手を批判したり、端的にやるべきことを伝えたくなるでしょう。
しかし、私メッセージの方が、相手も話しやすい雰囲気を作れます。
しっかりと話し合いを行うことで、ミスの軽減にも繋がります。余計なプレッシャーを与えないので、結果的に、仕事の効率が良くなるでしょう。
私メッセージの実践例②:家庭(夫婦)で私メッセージを使う
夫婦関係は、どうしても素がでやすくなります。
お互いが分かっているから、言葉も端的でストレートになりやすくなります。
その結果、お互いの主張がぶつかり、喧嘩にも発展しやすくなります。
「(あなたは)何度も言ったけどさ、食べた食器はせめて台所まで片づけてって言ったよね。こっちはただでさえ子どもの面倒に時間が…(グチが続く)」
⇓
「(私は)同じ注意をすることに、少し疲れてしまったよ。聞く耳をもっていないのかな?って考えると、(私は)悲しくなってくる。(私は)子どもの面倒で手一杯だから、食器を台所に片づけてくれると、とっても助かるよ。」
「(あなたは)なんでいつも怒るんだよ。俺だって普段仕事してるんだから、帰った時ぐらいゲームをやるぐらいいいじゃないか。いつも批判ばかりしてくるの、やめてくれない?」
⇓
「(私は)唯一のストレス発散が、ゲームをする時間なんだよね。ゲームをすると気分転換になる。ゲームばかりしているのはいけないかもしれないね。ゲームの時間を決めるとか、ルール決めをいっしょにしないか?」
気付いた人もいるかもしれません。私メッセージの方が、言葉の量が多くなっています。
私メッセージでは、自分の気持ちを伝える分、話しことばが長くなるでしょう。
「お互いに分かっているはず」といった夫婦関係では、言葉がどんどん省略化されやすいもの。
丁寧に気持ちを伝えあい、理解を深めあえるとイイですね。
私メッセージの実践例③:子どもに私メッセージを使う
親が子どもに対して言葉かけをするとき、つい指示的(あなたメッセージ)になりやすいでしょう。
「だって、危ないことばかりするから…。」確かにそう。危ない時は「あなたメッセージ」が効果的です。
ただ、私メッセージを使うポイントは探してみましょう。
「(あなたは)やらなきゃいけないこと分かってるよね。この注意これまでに100万回言ってんだけど(少し大げさ…だけど10万回は越えてる)。ゲームばかりしてないで、宿題やったの?次にゲームしてたら、ゲーム取り上げるからね。」(しぶしぶ子どもは動く)
⇓
「(お母さんは/お父さんは)とっても悩んでいるよ。なぜかと言うと、(私が)伝えても、あなたの耳には届いていないみたいだから。何度も繰り返し伝えていると、なんだか悲しくもなってくるんだよね。宿題が終わってからゲームをするようにしてくれたら(私は)とても嬉しいな。」
「(あなたたち)なんで毎回毎回喧嘩ばっかりしてるの?そんなに喧嘩するなら、あっちの部屋でやってくれる?うるさくてしょうがないわ(これは本当)。」
⇓
「(お母さん/お父さんは)とっても残念だよ。(私にとって)大切なふたりが、いつも顔を合わせると、喧嘩をしているのを見るから。見ていると、(私は)悲しい気持ちがするんだよね。喧嘩をするなら、あちらの部屋に二人で行くか、それとも(私が)少し離れていたいと思っている。いいかな?」
親子関係では、もともと上下関係になりやすいですよね。
親側が意識をしていないと、ついあなたメッセージが多くなります。
「親は一方的で、こっちの言い分を聞いてくれない。」子どもたちが訴えるのも耳にします。
お互いに話しやすくするには、私メッセージを取り入れると、子どもは話しやすくなります。
親側も、伝えたい気持ちを落ち着いて伝えられるようになるでしょう。

相手への返答に対して、私メッセージを使う方法はあるのでしょうか?
私メッセージを返答に使う実践例をお伝え!
これまでに紹介したのは、自分から伝える私メッセージです。
相手があなたメッセージで批判してきた時はどうしたら良いでしょうか?
答えは、「私メッセージで返す」です。
あなたメッセージには、相手を批判するニュアンスが含まれます。
目には目を。そんな気持ちで、ついあなたメッセージを使いたくなります。
けれど、私メッセージを意識すれば、お互いのコミュニケーションは円滑、かつ穏やかなものになるでしょう。
喧嘩になりやすい夫婦の会話を一例として考えてみましょう。
妻:「また、夜更かしして散らかしっぱなしで寝てる。寝る前に片づけてくれる?」
夫:「(毎回やってるわけでもないんだよな…)そうだったね。ごめん。(私は)次回は気をつけるようにするよ。」
妻:「あなたは、毎回そういうけれど、結局やらないじゃない。」
夫:「何度もいわれているのを知っているよ。俺がやれていないことも。ただ、頭ごなしにいろいろ言われているような感じが、(私は)少ししんどいな…」
妻:「しんどいも何も、あなたが片づければ済む話だよ。さっさと片づけてくれる!」
夫:「同じことを言わせて、(私は)悪いなって気持ちになっているよ。よく考えると、(私は)片づける場所がよく分からなくて困っているんだよね(配置が結構変わるんだよな…)。」
妻:「分からないなら言えばイイじゃないの。」
夫:「そうだね。私がちゃんと聞けば良かったね。分からない時は聞くようにする。もし変更する時があったら、教えてくれると(私は)嬉しいよ。」
妻:「分かった…じゃあこっちも教えるよ。けど、片づけはやってよね。」
夫:「迷惑をかけているなって(私は)反省しているよ。」
妻:「じゃあイイよ…。(なんか普段と違うな)」
普段とは違うコミュニケーションに、奥さんも困惑気味です。私メッセージを使うことで、相手も責めようが無くなってしまいます。
私メッセージを使う時に大切な3つのポイント
私メッセージのポイント
✔ 声のトーンを下げて、静かに受け答え
✔ 相手からの批判はいったん受け入れる
✔ 自分の気持ち・自分が出来る行動に注目
私メッセージを使う時のポイントは上記の3つです。
私メッセージを使う時の3つのポイントを確認していきましょう!
私メッセージのポイント①:声のトーンを下げて、静かに受け答え
声のトーンを落とすことを意識しましょう。こちらの声が高くなると、それに負けじと相手の声も大きくなります。話の内容だけでなく、声の大きさもマウントを取ろうとします。相手の声のトーンには合わせずに、静かに受け答えすることを意識しましょう。
私メッセージのポイント②:相手からの批判はいったん受け入れる
相手が批判をして来ても否定しないようにしましょう。まずは、相手の意見を十分に聞くことを意識します。相手の意見をすぐに否定すると、相手もあなたの意見を受け入れがたくなります。まずは、批判をいったん受け止め、それから自分の意見を伝えるようにしましょう。
私メッセージのポイント③:自分の気持ち・自分が出来ることを意識しましょう
私メッセージは、自分の気持ちを伝えるための方法です。相手を責めるのではなく、まずは自分の気持ちがどうかを意識しましょう。そして、相手に求めるより先に、自分が出来そうなことは無いか考えてみましょう。相手を変えるのではなく、まずは自分の言動を変えるようにしましょう。
すぐに実践するのは難しいでしょう。少し意識をしながら練習してみましょう!
【まとめ】私メッセージを実践例を参考に練習してみましょう!
この記事では、私メッセージを紹介しました。
主語を「私は」にすることで、自分の気持ちを伝えやすくなります。
相手も話しやすくなる効果もあるので、コミュニケーションが円滑に進みます。
お互いの関係性が慣れてくると、言葉の量が減ってきます(あうんの呼吸なんて言いますね。)。
けど、やはり自分の気持ちを素直に伝えられることは大切。
モヤモヤした気持ちをため込むと、つい爆発してしまいます。
私メッセージを使うと、楽しくお話が出来るようになります。
大切な人にも、この私メッセージを是非伝えてください。
お互いが私メッセージを使えるようになると、より建設的なお話がしやすくなるでしょう。
もう少し具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事も参照してください。
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