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カウンセリング後に疲れる 知恵袋に臨床心理士が回答【理由は3つだけ】

カウンセリング後疲れる

 

Yahoo知恵袋に、こんな質問がありました。

 

心理カウンセリングに行ったあと落ち込むのはなぜですか?

月1で電車で1時間くらいかけて心療内科に通っています。
カウンセリングを1時間うけます。

悩みを吐き出して、先生からアドバイスをもらい終わりです。
大部分は自分が話すことが多く、先生は聞き役です。

帰りの電車は、行きの電車よりずっと気分が沈んでいきます。
人間関係でなぜこんなに悩まなければならないのか?という虚しさで胸が苦しくなります。

普通は全部吐き出すと気分は軽くなるはずなのに、なんでですか?

一部訂正(上杉)

 

カウンセリングを受けても、気分がスッキリしていないということです。

つまり、期待しているような効果が得られていない

 

逆に悪くなっているように感じられているようです。

 

カウンセリングでは、実際に起こりえる状況だと思います。

 

 

そこで、この質問について(頼まれてもいないのに)答えてみようと思います

 

カウンセリングの後の疲れに困っている方のヒントになれば幸いです。

 

回答者ってどんな人なの?

私は、メンタルクリニックで10年以上臨床心理士・公認心理士として勤務し、年間1000件以上のカウンセリングを通して多くの方の治療に携わる機会があります。私自身も3年以上カウンセリングに通っています。カウンセラーの立場、受ける立場の両方からお話が出来ると思います。

 

カウンセリングを受けた後に落ち込む3つの理由

家運セリン疲れる3つの理由

 

カウンセリング後に疲れる理由は3つあります。

 

話をしてスッキリする場所だけではない

カウンセラーの問題

相談者が抱えている問題

 

これら3点について解説しますね。

 

カウンセリングは話をしてスッキリする場所だけではない

 

カウンセリングってどんなイメージがあります?

 

イメージの1つに、「話をしてスッキリする」がありませんか。

 

確かに、自分の気持ちを吐き出すことに、スッキリする効果はあります。

 

話し相手がいない、自分の気持ちをため込んでいる人には、特に大切です。

 

カウンセリングをスタートした時に「良かった」と思うのも、話してスッキリの効果が大きいと思います。

 

ただ、カウンセリングは、今抱えている課題と向き合って考えていく時間でもあります。

 

なぜ起きてしまったの?

環境の問題?相手の問題?あなたの問題?それとも別?

状況を変えられないのはなぜ?

どんな課題が、苦しみを続けさせているの?

 

様々な視点で、自分のことを考えていく時間になります。

 

カウンセリングを受けるぐらい困っている課題は、すぐに解決という結果にならないことも多くあります。

 

その間は、期待するような結果にならず、もやもやとすることもあるでしょう。

 

ヒント

スッキリすることばかりを期待すると、表面的な解決方法(ノウハウ)ばかりを考えるようになります。

自分の気持ちを考える<解決方法を考える

になると、自分の気持ちに向き合う時間が減り、結果的に効果が低くなる可能性もあります。

 

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カウンセリング後に疲れるのは、カウンセラーの問題

カウンセラーが適切なカウンセリングを行っていない場合もあります。

 

「相談者が悩みを吐き出す、カウンセラーが最後にアドバイスをする」

といったやり取りになっています。

 

アドバイスをする(または、アドバイスをされたと相談者が感じる)ことのデメリットは、先にお伝えしたように「あなたが、自分で解決する機会を減らしてしまう」ことが起きてしまうことになります。

 

しかし、同時に問題となるのは、

最後にアドバイスをされると、アドバイスについて話し合う時間がない

 

ということです。

 

アドバイスをされることで、一つの指針になることもあります。

 

しかし、後になって、意味が分からなかったり、納得出来なかったりすることが出て来ます。

 

帰りの電車でネガティブな考えが出てくるのも、気持ちが十分に消化されていない可能性もあります。

 

 

アドバイスをカウンセラーがするなら、

 

あなたにどんな効果を与えるのかを考えて伝える必要

あなたが理解と納得ができるように時間をかけて話し合う必要

 

があるのです。

 

アドバイスをするだけでなく、アドバイスの時間にカウンセラーの課題があるのかもしれません。

 

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カウンセリング後に疲れるのは、あなたの問題

 

カウンセリング後に疲れてしまうのは、あなたの問題がなかなか改善しないことが関係しているかもしれません。

 

こんなに時間とお金をかけているのに改善しないの?

なぜここまで自分の時間を使わないといけないの?

いつになったら元の自分のようになれるの?

 

こんな気持ちが起きているのでしょう。

 

あなたの問題がどのように起きているのかは分かりません。

 

ただ、改善に向けて進んでいかないことの不全感・不満感がカウンセリングへの不満感になっている場合もあります。

 

 

また、さらに深掘りしてみます

 

あなたの問題が、カウンセラーとの関係にも起きている。

 

カウンセリング後に疲れてしまったり、嫌な気持ちがあるのに、それをカウンセラーには言いづらくは無いですか?

 

どこか自分の中で我慢をして、相手には伝えないようにしているのではないでしょうか。

 

 

「言わないで我慢する」という方法を、普段も行っているのかもしれません。

 

本当に伝えたいことを、我慢している可能性があります。

 

我慢し続けることにより、あなたのこころが疲れてしまったのかもしれません。

 

 

本当の気持ちって何?

 

その気持ちは、私にも分かりません。

 

あなたにも十分わからないのかもしれません。

 

だからこそ、カウンセリングで自分の本当の気持ちを理解していくのです。

 

気持ちは、1つではないでしょう。

 

いくつかの気持ちを見つけていくこと、話し合っていくことをカウンセラーという第3者と一緒に進めていくことが大切です。

 

 

カウンセリング後に疲れてしまうことのまとめ

カウンセリング後疲れるまとめ

 

カウンセリングは話をしてスッキリする場所だけではない(自分の課題と向き合う場所)

カウンセラーの問題(アドバイスの方法に課題あり)

相談者が抱えている問題(人間関係の課題が起きている)

 

カウンセリングを受けることで、疲れてしまうことの理由についてまとめてみました。

 

あなただけの問題ではないでしょう。

 

しかし、改めて自分の課題として捉えてみることで見つかることもあるかもしれません

 

時間をかけながら、ゆっくりと進めていくことは大切なんだろうと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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