この記事ではADHDとぬいぐるみの関係についてお伝えします。
ADHDの中には、ぬいぐるみを手放せない子がいます。
私のADHDの息子もその1人です。
ここでは、ADHDの人がぬいぐるみを使う効果や、選ぶ際の注意点などを紹介します。
息子のエピソードも一緒にお伝えするので、ADHDのお子さんをお持ちの保護者さんは是非参考にしてくださいね。
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目次
ADHDの人がぬいぐるみを使う3つの効果を紹介します!
ADHDの人がぬいぐるみを使う効果は上記の3点です。
ぬいぐるみには癒し以外にも様々な効果があります。
1つずつ紹介するので、ぬいぐるみを使う前に確認してみましょう!
ぬいぐるみの効果①:安心感を得られる
ADHDの人がぬいぐるみから得られる効果の1つ目は、安心感を得られることです。
ADHDの人は、緊張感や不安感が高まりやすい傾向があります。
不安感から不眠になったり、生活リズムが乱れてしまうADHDの人もいるほどです。
2015年に発表された研究では、ADHDの児童がぬいぐるみを使用すると、睡眠の質が改善したという報告があります。
それに、ぬいぐるみは柔らかく温かみのある手触りがあります。
ぬいぐるみを抱くことがリラックス効果を高めて、安心感を高めるようになるでしょう。
ぬいぐるみの効果②:集中力を高める
ぬいぐるみの2つ目の効果は、集中力を高めることです。
ADHDの人は、注意散漫や衝動性が高く、集中力を維持するのが難しい場合があります。
ぬいぐるみを手元に置くことで視覚的な刺激を与え、集中力を高められます。
過去には、こんな研究があります。
2017年の研究によると、ADHDの児童にぬいぐるみを使用すると、集中力が向上したそうです。
ぬいぐるみを抱いていることで落ち着き、集中力向上に繋がったと考えられています。
集中力に課題があるADHDの人には、ぬいぐるみを持つという工夫も出来そうですね。
ぬいぐるみの効果③:ストレスを解消する
ADHDの人がぬいぐるみを使うことの効果の3つ目は、ストレス解消です。
ADHDの人は、感情が高ぶりやすく、ストレスを感じやすい傾向があります。
ぬいぐるみを抱くことで、身体的なリラックス効果を得られ、ストレスを解消することができます。
2019年に発表された研究では、ADHDの成人にぬいぐるみを使用すると、ストレス軽減効果があったと報告されました。
ぬいぐるみを抱いているだけで、心拍数や血圧が低下することが示されています。
また、ぬいぐるみに話しかけることで、自分の気持ちを整理するなんて効果も!
ぬいぐるみを上手に使えば、ストレス解消に繋がると言えそうですね。
ADHDの人がぬいぐるみを使うデメリットを3つお伝えします!
ADHDの人がぬいぐるみを使う時のデメリットは上記の3つです。
先ほどの章では効果を紹介しましたが、デメリットもあります。
1つずつお伝えしていきますので、ぬいぐるみのマイナス点についてもチェックしておきましょう!
ぬいぐるみのデメリット①:ぬいぐるみから離れられない
ADHDの人がぬいぐるみを使う時の1つ目のデメリットは、ぬいぐるみから離れられなくなることです。
ADHDの人は、ぬいぐるみを抱くことで安心感やリラックスを得られるようになります。
しかし、ぬいぐるみに頼りすぎてしまうと、ぬいぐるみが手放せなくなります。
そのため、持っていくことが難しい場所(学校や保育園)などに連れていけないと癇癪を起こしてしまうなんて恐れも…。
ぬいぐるみから得られる安心感よりも、ないと不安を強く感じるようになることがあります。
ぬいぐるみのデメリット②:他人とのコミュニケーションが減少する
ぬいぐるみを使うことの2つ目のデメリットは、他人とのコミュニケーションが減少することです。
ぬいぐるみを抱くことで、自分自身と向き合う時間は増えます。
しかし、他人とのコミュニケーションが減少する可能性があります。
ADHDの子は、友達関係に苦手意識を持っている子も多く見かけます。
その時、ぬいぐるみと過ごす時間が増えると、周囲から距離を置かれたり、他人とのコミュニケーションが取りづらくなることがあるでしょう。
ぬいぐるみのデメリット③:問題解決を先送りしてしまう
ぬいぐるみを使うことで、問題解決を先送りしてしまうことが3つ目のデメリットです。
ぬいぐるみを抱くことで得られるリラックス効果は一時的なものです。
しかし、ぬいぐるみに頼ってばかりだと、乗り越えるべき問題解決を先送りしてしまう可能性があります。
ADHDの人は、報酬欲求が強く、すぐに解決できないことは後回しにする傾向があります。
そのため、ぬいぐるみを抱くことが現実逃避の手段となってしまうかもしれませんね。
ADHDが好きなぬいぐるみの4つの特徴を解説します!
ADHDの人が好きなぬいぐるみの特徴は、上記の4つです。
触り心地が良いものや、小さくていつでも触れるものが良いでしょう。
ぬいぐるもの好みは個人差はありますが、1つずつ特徴をお伝えします。
ADHDが好きなぬいぐるみの特徴①:ソフトで触り心地が良い
ADHDの人が好むぬいぐるみの特徴の1つ目は、ソフトで触り心地が良いことです。
ADHDの人は、刺激に敏感な傾向があります。
そのため、手触りが柔らかく温かみのあるぬいぐるみが好まれます。
特に、毛足が長く触り心地が良いぬいぐるみは、大切に扱われることが多いでしょう。
ADHDの息子が好きなぬいぐるみは、手触りが柔らかいものが多いですね。
顔をうずめてみたり、抱きながらテレビをみたりしています。
見た目よりも触り心地が大事なのかもしれませんね。
ADHDが好きなぬいぐるみの特徴②:小さくて持ち運びがしやすい
ADHDの人が好むぬいぐるみの2つ目の特徴は、小さくて持ち運びがしやすいことです。
ADHDの人は、衝動的な行動が多い傾向があります。
そのため、小さくて持ち運びがしやすいぬいぐるみが好まれます。
例えば、ポケットに入るサイズのぬいぐるみや、ストラップ付きのぬいぐるみなどです。
いつでも手軽に持ち運びができるため、安心感やリラックス効果を得ることができるでしょう。
ADHDの息子のぬいぐるみは、大きいので持ち運びに困っています。
本人は困っていないようですが、親としては「もう少し小さいのにしてくれない?」と思ってしまいますね…。
ADHDが好きなぬいぐるみの特徴③:着せ替えができる
ADHDに好まれるぬいぐるみは、着せ替えが出来ることが3つ目の特徴です。
ADHDの人は、新しいものに興味を持つ傾向があります。
そのため、着せ替えができるぬいぐるみが好まれます。
例えば、服や帽子、アクセサリーなどが付いているものです。
いつでも新鮮な気持ちで遊べるので、ADHDの人には喜ばれます。
また、物作りが好きなADHDの子であれば、自分で服を作ったり、アクセサリーを付けたりと、創造力や自己表現を発揮することができるでしょう。
ADHDが好きなぬいぐるみの特徴④:個性的な形状やデザイン
ADHDの人に好まれるぬいぐるみの4つ目の特徴は、個性的な形状やデザインです。
ADHDの人は、普通のものよりも個性的なものに興味を持つ傾向があります。
そのため、個性的な形状やデザインのぬいぐるみが好まれます。
例えば、人間の形をしたぬいぐるみや、フード付きのぬいぐるみなども面白いかもしれません。
また、ユニークな色や柄のぬいぐるみも、ADHDの人にとって刺激的なものとなるでしょう。
ADHDの人がぬいぐるみを使う時には3つの注意点があります!
ADHDの人がぬいぐるみを使う時の注意点は上記の3点です。
安全性や長時間の使用などは大切なポイントです。
ADHDの人が上手にぬいぐるみと付き合う為にも、是非確認しておきましょう!
ぬいぐるみを使う時の注意点①:安全性に配慮する
ADHDの人がぬいぐるみを使う時の1つ目の注意点は、安全性に配慮することです。
ぬいぐるみには、小さなパーツや飾り付けなどが付いているものがあります。
これらが取れてしまうと誤飲や窒息の危険性があります。
特に、小さなお子さんがいる場合は、安全性に配慮したぬいぐるみを選ぶようにしましょう。
うちの息子の場合、ぬいぐるみの目がボタンになっているものを使っていました。
取れたりすることは無かったですが、定期的にほころびが無いかチェックしておけば安心ですね。
ぬいぐるみを使う時の注意点②:長時間の使用
ぬいぐるみを使う時の注意点の2つ目は、長時間使用することです。
ADHDの人の中には、こだわりが強く、長時間使用してしまうことがあります。
しかし、長時間使用することで肩や首の負担が増えるなんて恐れも…。
また、デメリットでもお伝えしましたが、ぬいぐるみの時間が多くなると、それ以外の時間が少なくなります。
友達や家族との時間を過ごすためにも、適度な使用時間を守るようにしましょう。
ぬいぐるみを使う時の注意点③:丁寧な手入れを行う
ADHDの人がぬいぐるみを使う時の最後の注意点は、丁寧な手入れを行うことです。
ぬいぐるみは、長期間使用すると汚れがたまり、カビやダニなどが発生する可能性があります。
定期的な手入れを行い、清潔に保つようにしましょう。
ただ、うちのADHDの息子の場合は、ぬいぐるみを洗濯することを嫌っていました。
理由としては、いつもの臭いが無くなってしまうからです。
清潔を保つのは大切ですが、本人が安心する香りも重要です。
勝手に洗濯をしたら、ものすごい癇癪を起こされたという苦い思い出も…。
本人と一緒にぬいぐるみを水洗いをしたり、天日干しにするなどの方法も良いでしょう。
ADHDの子がぬいぐるみを手放さないなら無理強いはやめましょう
ADHDの子の中には、ぬいぐるみを手放せない子もいます。
親としては、少し心配してしまうかもしれません。
けれど、ぬいぐるみは心理学的には「移行対象のひとつ」として、大事だと考えられています。
移行対象は、ウィニコット,D.Wが提唱した言葉です。
移行対象とは、1~3歳の頃に不安に感じた時に抱きしめたりして安心するための物を指します。
小さい頃に、ぬいぐるみやお気に入りのタオルケットがあった方もいるかもしれません。
ウィニコットによると、この頃の子どもは完全に依存していた母親の存在から徐々に離れ、不安や欲求不満を持つようになります。
その時に、母親の感覚を思い出せる移行対象(ぬいぐるみ)に触れることで、不安を軽減させます。
主体性や自主性が育ってくると、徐々にぬいぐるみが必要では無くなっていきます。
ADHDの子の場合には、ぬいぐるみを手放すまでの期間が長くなる傾向があります。
その為、無理やりぬいぐるみを取り上げたり、叱ったりするのは止めておきましょう。
成長の過程で徐々に離れていくのを待つのが大切です。
ただ、学校など本人が持ち込みたくても難しい場合があります。
その際は、小さいキーホルダーのようなぬいぐるみや、肌触りの良いタオルなどを代わりにするのも1つですね。
どちらにしても、本人や担任の先生と相談しながら進めましょう。
ADHDとぬいぐるみの関係についてまとめ
以上の内容をお伝えしました。
ADHDの人にとって、ぬいぐるみはおもちゃの1つではなく大切なパートナーです。
成長と共に、少しずつ離れていきますが、慌てて手放そうとしないことが大切です。
上手に付き合う方法を探していきましょう。
頭では分かっているんだけど、なかなか難しい…。
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ADHDの当事者の方も、その保護者の方でも大丈夫です。
現状の課題などをお話しながら整理し、今後の方向性を見つけられるようになるでしょう。
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