「全くお腹が空かないけれど、無理やり食べている」
「食べていても砂を噛んでいるような感覚がする」
「逆にストレスから過食傾向になって太ってしまった」
「色々と考えるのがしんどくて、寝られないから深酒をするようになった・・」
メンタルクリニックの相談の内、体調不良の相談に加えて、食事に関しての相談が多くあります。
メンタルに限らず、
①栄養バランスを考えて
②3食しっかり食べる
③特に朝ご飯はちゃんと食べる
の重要性は定番として言われてきていることかと思います。
けれど、実際には、「頭では分かっているけれど、じゃあどうすれば良いの?」「そんなバランスなんて考える余裕がない・・」という疑問や難しさを感じられるかもしれません。
ここでは、「地中海式食事療法」についてご紹介します。
名前が少し怪しいなと感じられるかもしれませんし、もしかしたらダイエット方法として聞いたことがある人もいるかもしれません。
ただ、近年の研究では、うつ病の予防効果や、気分を安定する効果があるなどの報告が数多くされています。
その為、うつ病予防だけでなく、実際に不調になり始めの方の食生活にも取り入れることが出来たら良いなと思います。
また、なるべく手間をかけずに、「地中海風の食事療法」として、エッセンスを入れてみる工夫も紹介したいと思います
1.地中海式食事療法とは
地中海沿岸地域の人達の食べ物や食事方法のことです。
1958年に米ミネソタ大学のアンセル・キース氏によって行われた試験の結果、動脈硬化による心筋梗塞の死亡率などが他の地域と比べると低くなるという結果が出ましたことから注目されるようになりました。
うつ病などのメンタル不調の予防や改善にも効果があることが分かっています。
1-1.地中海食事療法の特徴とは?
地中海食事療法において大事なポイントして多く取るのは、
①全粒穀物(玄米・全麦パン・オートミール)/野菜/果物/乳製品/オリーブオイル
②肉よりも魚中心
③ナッツや豆類
があります。これらの食材を食事に加えていくことを意識することで、効果が出ると考えられています。
2.うつ病と相性が良いのはなぜ?
うつ病の人が必要な栄養素は以下の通りです。
・ビタミンB1:胚芽米、玄米、麦飯、豚肉、レバー、豆類
・ビタミンB2:レバー、うなぎ、納豆、乳製品、葉野菜
・ビタミンB6:かつお、まぐろ、レバー
・ビタミンB12:かき、レバー
・葉酸:レバー、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリー
・鉄:ひじき、きくらげ、あさり、レバー、赤身肉
・亜鉛:かき、牛肉、チーズ
・トリプトファン:乳製品、アーモンド、大豆、バナナ、卵
・メチオニン:ほうれん草、チーズ、ナッツ類、豆腐、肉類
・チロシン:乳製品、かつお節、しらす干し、アボガド、卵
・DHA、EPA:青魚
出典:https://kusuri-soudan.com/depression-diet-19979/
上記の栄養素と、地中海食事療法における食材を比べてみると、多くの共通食材があることが分かります。
例えば、セロトニンの材料となるトリプトファンが不足してくると、気分が落ち込みやすくなることもあります。
3.具体的な活用方法
上記のリストを見た時に、もしかしたら多くの方が、「そりゃあバランスよく取れたら良いのは分かっているよ・・・けれど、食事を作ること自体が面倒だし、実際には難しいよね・・・と感じられている人も多いかもしれません。
実際に、メンタルが不調の時には、思考がまとまりにくく、先を見通して同時に物事を考えて行動することは難しいと思います。
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その為、「地中海食事療法」ではなく、「地中海風食事療法」を取り入れてみるのも良いかもしれません。
①間食をお菓子などではなく、ナッツやチーズなどに変える
②魚が面倒なら、ツナ缶など缶詰を利用する
③コンビニ弁当は、お魚弁当へ(プラスで野菜も足してみる)
④オリーブオイルを取り入れる
納豆にオリーブオイルと塩
卵かけご飯やみそ汁にオリーブオイル
刺身にオリーブオイルと塩でカルパッチョ風
4.まとめ
ここまで読んで頂いた人の中には、地中海食事療法なんてしなくても、日本の和食を食べていれば良いのではないかと感じられた方もいると思います。
その通りでもあります。
日本の和食は、うつ病の人の治療(予防も含む)に効果があると考えられています。
また、基本的な考え方である「栄養のバランスが取れた食生活を行うこと」は、最も大切であり、その部分がおざなりになってしまうと、せっかくの食事内容を変更しても、効果が出にくいことも考えられます。
出来ることから少しずつ始めて見ることを意識して、生活を始めてみるのも大切です。
食事に関してこちらの記事も参照してみてください。
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