メンタルクリニック通院手引き

うつ病の人が運動療法を失敗しない5つのヒント

運動続ける

 

 

うつ病の人が、運動を継続することは難しいと思います。

 

先日、うつ病の人が運動を始めることのメリットと、始めやすい運動方法を3つ紹介しました

しかし、実際には、運動を始めることも、始めたとしても継続することは難しいです。

ほとんどの方が、スタートに二の足を踏んだり、始めても三日坊主で終わってしまう可能性があります。

 

ここでは、うつ病の人が始めやすい運動方法を失敗しない3つのヒントを紹介します。

 

 

自己紹介

この記事を書いている私は、メンタルクリニックで10年以上臨床心理士として勤務し、年間1000件以上のカウンセリングを通して多くのうつ病の方の治療に携わる機会があります。私は、復職者を対象にしたデイケアにて運動プログラムのリーダーを数年間行っています。

 

目次

1.頑張りすぎない(目標設定を下げる)

2.いくつか選択肢を持っておく(屋内・屋外)

3.今の生活の延長線上にある所から始める

4.人と一緒にやる

5.お助けアプリを利用する

6.まとめ【とりあえず、今日の1分】

 

1.頑張りすぎない(目標設定を下げる)

 

運動を始めようと頑張ろうとしているところに、「頑張りすぎない」とは、少し矛盾するかもしれません。

ただ、あまり気を張って頑張りすぎないことが大事です。

 

うつ病の方の多くに、まじめで、始めたらきっちりやろうとする性格の方がいらっしゃいます

そのような方は、最初から目標設定を高く立てて、数日間は続けられますが、その内体調が悪くなって止めることに繋がります

 

止めてしまうと、「自分はやろうとしたのに続かなかった」と自分を非難し、気分が落ち込むといった悪循環になってしまう傾向があります。その為、自分が出来そうだなと考える量の半分程度から始めるのが良いと思います

 

ポイント

目標設定は、体調が良い時に決めず、体調が悪い時に決める

うつ病の方の体調として、日内変動と呼ばれる気分の変化が見られます

午前中はだるいが、夕方ぐらいになると元気になってくる方もいますし、その逆もあります。

目標設定を、調子が良い時に考えてしまうと、どうしても目標設定が高く、自分の出来る範囲を超えて頑張ってしまう傾向があります。少しだるさが残っているような時に、その状態を基準にして、運動量や内容を決めていくことが大切です。

 

2.いくつか選択肢を持っておく(屋内・屋外)

 

運動を始める時に、比較的多い選択肢に、近くを散歩する(ウォーキングをする)ことを選ばれる方がいます。

適度な有酸素運動になること、日の光を浴びる機会にもなるので、良い選択肢の1つだと思います。

 

ただ、屋外で行う運動だけだと、「今日は雨が降っているから出来ない」「今日は、家から離れられないから出来ない」などと、出来ない理由を見つけてしまい、継続をすることが難しくなてしまいます。

 

屋外で行うこと以外に、家の中でも出来る運動の選択肢を持っておき、「今日は外の活動は出来ないが、その代わりに屋内のストレッチや階段の上り下りなどに切り替えよう」として、少しでもやれるようにすることが継続のポイントになります。

 

ポイント

これは駄目だけど、こっちを試すというのは気持ちの切り替え練習にも効果的

一つのことがダメだと全てダメだ・・と考えず、他の選択肢を考えられることも大切です。

気持ちを切り替えられることが出来るようになると、他の場面でも使えるようになります。

運動療法を取り入れながら、メンタルケアの練習としても考えられます。

 

3.今の生活の延長線上にある所から始める

 

運動を始める時に、色々新しいことを始めたくなるでしょう。

 

けれど、現在の生活スタイルと連動していないと、どうしても面倒くささが勝ってしまいます。

 

例えば、ジムを選択する場合も、最寄りの駅から自分の家の間にあるジムと、駅の反対側にあるジムがあったとしたら、後者のジムにはほぼ足が遠のいてしまうでしょう。

 

「今日は早く帰って疲れを取ろう」などと考えるのは自然なことではないでしょうか。

その為、自分の生活圏内にあるものを有効活用する方が、継続しやすくなるだろうと思います。

 

こんなやり方も良いでしょう

✅ 普段使っているスーパーではなく、たまには少し離れたスーパーに買い物に行く

✅ 自転車を使って行き来している所を、2回に1回は歩いてみる

✅ 家事を通して運動する

(普段やっていない家事を分担し、身体を使う。普段家事をしているとしたら、姿勢に意識してみる・合間にスクワットをしたり、立っている間はつま先立ちにするなど)

 

4.人と一緒にやる

 

自分一人で始めようとすると、始めやすいかもしれませんが、なかなか長続きすることが難しくなります

 

その為、誰かと一緒に続けるのが一つの方法です。

 

誰かと一緒に始めると、相手と励まし合ったり、逆にライバルとして刺激し合ったりすることが出来ます。

 

自分のペースで進めることも大切ですが、どこかで「相手もやっているし、自分も頑張ろう」という気持ちが、良い意味で刺激になると、継続効果が得られやすいでしょう

 

5.お助けアプリを利用する

 

最近では、運動をサポートしてくれる様々なアプリがあります。

 

いくつか試した中で、私がお勧めの無料アプリを紹介しますね。

 

3分フィットネス【無料でエクササイズ】

3分フィットネス

気軽に運動を始めたい方にはお勧め

トレーニングしたい部位や時間帯などを選択するだけであなた好みのトレーニングメニューを自動で作ってくれる

トレーニング中にもアニメーションでやり方を教えてくれます。音声で進行状況なども教えてくれます

・facebookと連動することが出来るので、友人とトレーニング状況を競ったり、共有したりすることが出来る

 

個人的には、進行状況を説明してくれる音声やイラストがとてもゆるく、癒されます(笑)

ゆるく始めるフィットネス

何から始めたら良いか分からない方や、友人と一緒に始めてみたいなって人は、試してみても良いかもしれませんね

 

6.まとめ【とりあえず、今日の1分】

 

うつ病の方が、運動を継続する方法について紹介しました。

 

うつ病の方ならではの、継続の難しさがあると思いますが、継続をすることが出来ることで、自分の体調が整っていくだけでなく、継続出来たことによる自信も得やすいのではないかと思います。

 

ただ、継続をすることは、病気の有無に関係なく難しさがあります

自分にとって良いことだと分かっていても、なかなか継続することが出来ないものです。

 

継続をする・・・と長期的に考えると面倒になりがちですが、「とりあえず今日はやろう」と1分でも2分でもやることをお勧めします。「明日は休んでも良いから、とりあえず今日やろう」という意識を持つことが大事です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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