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過眠過食のうつ?非定型うつ病を臨床心理士が解説

 

非定型うつとは

体調が悪くて心療内科を受診したら、ドクターから非定型うつ病って言われたけれど、それって何ですか?確かにネットで見るうつ病の症状が当てはまらないこともあって。治療法とかも知りたいので教えてください。

 

そんな質問にお答えします。

 

この記事を読むことで、以下のことが分かります。

✅ 非定型うつ病とは何かが分かる

✅ 非定型うつ病になりやすい人の特徴について分かる

✅ 非定型うつ病の治療方法について分かる

この記事を書いている人

メンタルクリニックで10年以上臨床心理士として勤務し、年間1000件以上のカウンセリングを通して多くのうつ病の方の治療に携わる機会があります。

 

うつ病と一言で言っても、様々です。

 

その方の背景や症状によって治療方法は様々です。

 

従来のうつ病の治療ではなかなか改善することが難しい非定型うつ病について、ここにまとめてみました。参考になれば幸いです。

 

非定型うつ病ってどんな病気ですか?

 

はじめに

非定型うつ病は、新型うつ病、ディスチミア親和型うつ病など様々な表現の仕方があります。それらは全て同じだと考えて大丈夫です。

 

過眠や過食傾向があります

 

長時間寝ても疲れが取れない感じが続いたり、食事の量もかなり増えます

 

 

過眠と過食の傾向から、夜に寝て朝に起きる・1日3食以上のだらだら食いが続く食事といった、1日のサイクルが崩れやすく、昼夜逆転のパターンになりやすいかもしれません。

 

楽しいことがあると気持ちが一転して気分が良くなります

 

普段は気持ちが落ちていることが多いのですが、自分の好きなドラマを見たり、買い物に出かけたりすると、気分が上がり楽しい気持ちになります。

 

その為、一見元気そうに見えたり、逆に「ただ怠けているだけでしょ」と思われやすいかもしれません

 

人からの言葉や反応に過敏さがあります

 

自分のやりたいように過ごしているように見えるのですが、周囲からの反応や言葉に敏感で、傷つきやすさがあります。

 

「自分のことをバカにされた」

「軽蔑された」

 

などと考えて、気分の落ち込みが見られることがあります。

 

例えば、職場の上司から些細なことでミスを指摘されただけなのですが、「全人格を否定された」と考えて、翌日は出社出来なくなってしまいます。

 

夕方から夜にかけて体調が悪くなります

 

1日の中で気分の波が見られます。

 

「サンセットデプレッション」とも言われ、夕方から夜にかけて調子が落ちてくる傾向が強くなります。

 

身体が鉛のように重たくなります

 

調子が悪くなってくると、身体が鉛のような感覚にあるようです。

 

何をするにも億劫に感じて動けなくなってしまいます。

 

気分の波が良いと行動力があって活動出来るので、このような身体の重さを訴えても理解してもらえないことが多いかもしれません。

非定型うつ病ってどんな人がなりやすいの?

 

小さい頃から、良い子と言われて育っています

周囲の顔色を常に気を付けていた為に、あまり自己主張が出来ず、気持ちを抑え込みやすくなります。

周囲に合わせて過ごしていたので、周りからの評価は高くなります

その為に、自分の中にある漠然とした万能感は高く、プライドの高さも強くなってきます。

 

しかし、社会に出て働き始めると、今までのようにはなかなか評価されず、それによって気持ちがへし折られてしまうことがあります。

その時に、従来のうつ病の人は、どちらかと言えば自責的になり、「自分がダメだ」と自己嫌悪になるでしょう。

そして、気分もふさぎ込んでしんどくなるでしょう。

 

しかし非定型うつ病の人は、気分が落ち込むというよりは、その状況について、環境や周りの人が悪かったんだと、周囲に対して批判的な態度を取ります。

 

 

うつ病と非定型うつ病との違いは?

 

特徴をまとめ、比較するとこんな感じ

 

非定型うつ病 従来のうつ
年齢層 20~30代 中高年
睡眠 過眠傾向

昼夜逆転になりやすい

不眠傾向

入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒

食欲 過食

体重が増える

食欲減退

体重が減る

疲労感 身体が鉛のように重い 倦怠感
気分の反応 楽しいことがあれば気分が上がり、苦しい時には気分が落ちるなどアップダウンが激しい 何に対しても気分が上がらず落ち込みがち
一日の気分は 夕方から夜にかけて気分が悪い 朝から午前中にかけて気分が悪い
病前性格 ・自尊心が強い
・傷つきやすい
・責任転嫁をする
・几帳面
・責任感が強い
・自己犠牲型

 

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非定型うつ病の治療法ってどういうことするの?

 

心療内科に行って治療する

 

うつ病と同様に治療が必要です。

 

比較的気分が上がって元気に過ごせる時がある為、非定型の方は、うつ病であるという自覚症状を持ちにくいことがあります。

 

薬が効きづらく、副作用が出やすいのも特徴の一つの為、お薬を飲むことを避けたくなる傾向が見られます。

 

カウンセリングを受ける

 

自己主張が出来るようにする

相手に合わせることばかりを考えていたので、適切な方法で自己主張をすることがスキルとして身についていない場合があります。

 

強く言いすぎてしまったり、逆に言えなくなってしまったり。

 

周囲に誤解を生みやすい病気なので、コミュニケーションを取る必要はあります。

 

アサーションスキルのような、適度な自己主張を学んでいくことが大切です。

 

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生活リズムを整える

 

生活リズムが崩れがちになります。

 

生活を安定させることを目的に、生活管理表をつけて自分の生活を改善していくのも1つです。

少し負荷に感じるような面もあるかもしれませんが、多少の負荷をかけながらも安定したリズム作りは重要です。

 

一般的なうつ病の方の生活リズムの組み立て方とは少し違うかもしれません。少し自分を励ましながらでも、進めていくことが大切です。

 

客観的に自分の状態を見られる状態を作る

 

自分のことを客観的にモニタリング出来ることが大切です。

 

例えば、ストレスから一気に体調を崩してしまうのではなく、体調不良のサインに気づくなどです。

 

「仕事やプライベートで人付き合いが多くなってくると、疲れが溜まりやすいから、週末は一人でゆっくり過ごそうかな」など、自分の状態を想像し、事前に生活を組み立てていくことが大切です。

 

日常生活で出来ること

 

普段の生活は崩さない

 

普段の生活のリズムは崩さない方が良いでしょう。

一度崩れてしまうと立て直しが大変になります。仕事も多少負担だと感じながらも行けることが大切です。

 

食事の量や時間もちゃんと決める

 

食事の時間や量は枠を作ることが大切です。

ながら食事や、夜中の飲食なども控えましょう。

 

運動をする時間をつけて生活にメリハリをつける

 

他のうつ病と同様に、適度な運動を行うことは大切です。

家の周りを歩いたり、買い物に出かけることも良いでしょう。

 

身体が少ししんどいなと感じるぐらいの負荷を自分にかけながら生活することを心掛けると良いでしょう。

 

まとめ【非定型うつ病の認知が低いです】

 

非定型うつ病の認知度は未だに低いのが現状です。

その為、多くのうつ病の症状とは違っている為、周りも本人も気づきにくいのです。

 

その為、誤解や偏見も持たれやすいかもしれません。

 

まずはちゃんとした知識を持って、治療を進めていきましょう。

 

 

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