メンタルクリニック通院手引き

睡眠障害6つのパターン解説【うつ病との関連】

睡眠障害について


最近夜にちゃんと寝られないなと困っていませんか?


そのような睡眠に関する症状が続き、日常生活に支障をきたしている場合は、睡眠障害の可能性があります。


寝られない理由を「あー最近仕事が忙しくて、ストレスが溜まっているせいかな・・」とメンタルの不調を理由に考えてしまいがちになります。


しかし、実際に睡眠障害と呼ばれるものは、大きく6パターンあり、必ずしもメンタル不調から起きている訳では無いかもしれません。


そこで、今回は、睡眠障害の知識について説明します。

この記事を読むことで

 睡眠障害の6つのパターンを知ることが出来る
 うつ病と不眠症の関連について知ることが出来る
 よく話題となるアルコールとの関連について知ることが出来る

 

 

1.睡眠障害6つのパターン

 

睡眠障害6パターン

 

 

1.1 不眠症


メンタルクリニックや一般内科でもよく相談される睡眠障害の1つです。


入眠障害
布団に入っても30分以上寝付けない。ずっと考え事をしてしまうといった、
寝付けなさが続いている状態です。
身体は疲れているから早く寝ようと思っても寝付けない・・など布団に入っている状態が苦痛になりやすい状態です。


中途覚醒
寝ていても夜中に目が覚めてしまう状態です。
トイレに行ったり、飲み物を一口飲んで、すぐにまた眠ることが出来れば良いのですが、再度入眠することが難しい状態が続く方もいます。
何度も目が覚めてしまうだけでも、熟睡感が得られにくくなります。


★早朝覚醒
普段起きるはずの時間よりも早く目が覚めてしまいます。中途覚醒同様に、予定の時間まで寝ようと思っても寝付くことが出来ない状態です。


★熟眠障害
十分な時間を寝ているのですが、朝起きた時に、スッキリせず、まだ疲れが残っているような状態があります。
睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害(後述)などの他の睡眠障害の可能性も考えらます。

上記の状態が続いてしまうことで、日中の眠気が続いたり、集中力が切れてしまうなどの日中活動への支障が出てしまうことがあります。

1.2 睡眠呼吸障害


代表的な例が、睡眠時無呼吸症候群です。

閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)
大きないびきや睡眠の質が悪くなってしまうことで、日中の眠気や集中力の低下などに支障がでてしまうことがあります。
要因として、のどの周りに脂肪がついてしまうことによって、呼吸がしにくくなっています。その為、呼吸が止まってしまう様な状態になることがあります。

★中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
脳から睡眠をするという指令が無いことによる不眠症状があります。OSAと比べて少数の方に見られます。

1.3 中枢性過眠症


一般的に良く聞くのは、ナルコレプシーですね。

十分な睡眠を取っているにも関わらず、日中に自分でも抑えることが出来ないほどの強い眠気を感じる病気です。
14歳~16歳と若い人から見られることも多いです。

症状の原因として、脳内のオレキシンという物質が少なくなっていることだと考えられています。これは、覚醒状態を司る物質であることから、覚醒していることが難しく、強い眠気に襲われてしまうという病気になります。

1.4 概日リズム睡眠障害


体内時計を上手にコントロールすることが出来ず、夜中まで起きていて朝が起きられないといった状態が続きます。
その結果、日中起きたい時間に起きられず、夜型の生活になりやすくなり、日中活動に支障をきたしてしまうことがあります。

その要因として、夜中までスマホやパソコンなどをして過ごす・徹夜などでリズムの違う生活を送るなどがあります。

1.5 睡眠時随伴症


子どもだと夢遊病があります。
大人だとレム睡眠行動障害です。

夜中に突然大きな声を出したり、自分が見ている夢に合わせて手足を振り回したりと、寝ている間に身体が動いてしまう病気です。
レム睡眠は一般的に、身体は寝ているけれど、頭は活動しているという浅い睡眠状態のことを言います。
頭が活動しているので、夢を見やすいのは、このレム睡眠時となります。
本来なら、身体が寝ているので動かないはずの身体が、夢に合わせて動いてしまいます。

寝相が悪いぐらいでしたら、問題はないのですが、大きな声を出してみたり、争っている夢を見ながら、実際に手足を振り回し、一緒に寝ている家族が危険な目にあったり、自分自身が怪我をしてしまうということも起きてしまいます。

1.6 睡眠関連運動障害


★むずむず脚症候群
入眠時に足の不快感があり、寝ることに支障が出てくる病気です。「脚がむずむずする」「虫が這っているような感じ」などの異常な感覚が続いてしまうものです。


★周期性四肢運動障害
中高年に多く、加齢に伴いその数は増えて来ます。
主に下半身に見られる異常反応が繰り返されます
本人が気づいていない場合も多いです。

2.自分の不眠はうつ病からの不眠?

うつ病と不眠


うつ病の症状の1つに不眠症(過眠症)があります。


ここで紹介した睡眠障害の内、自分の不眠がうつ病から来ているのか、それとも別の理由により症状となっているのかを調べることが必要です。
それぞれの睡眠障害への治療は、対処方法が違ってくる場合があるからです。



うつ病の不眠症として見られるものの多くは、1.1 不眠症で見られるような症状です。

また、不眠症だけに限らず、気分の落ち込みやマイナス思考、焦燥感などうつ病の他の症状の有無によって、判断することが出来ます。


ドクターに相談をしましょう。

うつ病の症状については、うつ病ってなに?病院に行く判断を臨床心理士が解説【まずは受診】を参照してみてください。

3.アルコールと不眠との関係とは?

アルコールと不眠


不眠に悩んでいる人の対処法として最も多いのが、アルコールを飲んで寝ることです。
少量のアルコールは、入眠促進効果もあるので、眠くなることが期待できるでしょう。


しかし、夜中にアルコールが抜けていくタイミングで、睡眠の質が悪くなっていき、全体的な睡眠の質は悪くなることが分かっています。

十分な時間と質の睡眠が取れないことにより、日中の活動に支障が出る場合もありますので、病院で相談をしてみるのも大切です。

じゃあどうするの?って時には、不眠症必見 アルコールを減らせる4つの方法【臨床心理士が教える】を参照してみてください。

4.まとめ【睡眠の安定は最優先】

睡眠障害まとめ


睡眠が取れなくなってくるということは、身体に不調が出ているサインになります。
同時に、睡眠が取れなくなることで、日中に感じる疲労感が強くなり、集中力にかけたり、簡単なことを忘れてしまったり、ミスをしてしまうこともあります。


一説には、十分な睡眠が取れていない状態とは、脳の機能としてはお酒を飲んだ後の二日酔いの状態と似ているとも言われています。
それぐらい、頭の機能が働かない状態になっているということでしょう。


日中の活動を高めていく為にも、睡眠を安定させることは、とても重要です。
また、睡眠障害は、単にうつ病の症状の一つではなく、それ自体の病気であったり、他の身体疾患との合併症状の可能性も考えられます


まずは病院でご相談されるのが良いでしょう。

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