うつ病の人の中でも、以前なら出来ていた「料理をすること」が出来なくなってしまう方が多くいらっしゃいます。もう一度やれるようになるにはどうしたら良いのでしょうか?
そんな質問にお答えします。
この記事を読むことで、分かることは、
この記事で分かること
✅ うつ病の人にとって、料理が大変な理由が分かる
✅ うつ病の人にとって、料理の取り組み方について分かる
この記事を書いている人
メンタルクリニックで10年以上臨床心理士として勤務し、某カウンセリングルーム室長として、年間1000件以上のカウンセリングを通して多くのうつ病の方の治療に携わる機会があります。これまでに福祉施設や教育機関などを含めるとトータル20年以上対人援助職をしています。
うつ病は脳の病気です。適切な医療による治療が必要です。
うつ病の方にとって、料理をすることは、病気になる前なら当たり前だったかもしれません。
料理をすることは、自分の為だけでなく家族の為に行うことだったりもします。
この記事を読むことで、うつ病の方や、メンタルを崩してしまいがちな方への治療のヒントになれば幸いです。
目次
うつ病の人にとって料理は大変
料理をするには様々な能力が必要です。
- 何を作るのかを決めること
- それにはどんな食材がどれぐらい必要なのかを判断する
- その食材があるのか・無いのかを確認する
- 買い物に行く
- 食事のスタート時間から逆算して料理開始の時間を決める
- 料理をする(切る・焼く・煮るなど・・・同時進行)
- 盛り付ける
- 後片付けをする
簡単にプロセスを挙げただけでも、8個の工程があることが分かります。
これらのことを、特に問題なく出来ること自体がすごいことなんです。
その為、うつ病の治療段階にもよりますが、出来なくてダメ・・ではなく、出来ないのが普通と考えることが大切です。
自分が食べ物に興味が無いのに・・・・
うつ病になると、以前のように食事を楽しむことが難しい方もいらっしゃいます。
食欲が減っていたり、味覚が十分に感じられず、美味しいと感じられにくい場合も多くあります。
その為、味付けをするにも分かりづらいことが多くなります。
料理の取り組み方について
手を抜ける所は手を抜くことを意識する
今までは、自分が担っていた料理を、どうやって手が抜けるかを考えます。
お惣菜やレトルト・冷凍食品を利用する
今までは、自分で食事を作る機会は多かったかもしれませんが、
お惣菜を買ってきたり、レトルトなどを利用する頻度を増やしてみるのも良いかもしれません。
以前は、自分で作る方が安いことも多かったですが、今はかなりコストも抑えられています。
また、色々と選択肢が多くなっています。
その為、全ての食事をレトルトにする必要はありませんが、1品作って、残り2品はお惣菜・・・などと「ハイブリッド食事(名前がかっこいい)」を取り入れることも良いでしょう
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家族に手伝ってもらう
家族に対して、自分が今は出来ないことを宣言し、協力を仰ぐことも大切です。
無理をし続けてしまうことで、体調を悪化させてしまいます。
家族も実は、はっきりと言われてしまった方が、楽なこともあります。
無理をしていると、自然と料理の後にイライラが出ていたり、寝込んでしまうことも多くなります。
家族も頼られることで、あなたの治療のお手伝いが出来てほっとする方もいらっしゃることもあるでしょう。
出来ることを細分化して、やれるところから始める
料理がするということについて、最初に挙げた8つの工程があります。
その工程の中で、どこかが難しいか・どこだったら負担なく出来るのかについて考えてみましょう。
例えば、「何を作るか考えるのが難しい」という人がいた場合、何を作れば良いかを家族のリクエスト形式にするのも1つです。
そして、ある程度、今の体調でも出来る範囲にまとめます。最初は、1週間分の「食事リスト」を決めてしまうことも良いでしょう。
出来ることと出来ないことについては自分の状態を把握し、家族と話し合って決めていくことが大切なんでしょう。
最後にまとめますね
うつ病の方の食事作り
- 料理をするって実はうつ病の人にとっては大変な事、無理をしないこと
- 料理には手抜きも必要。外部委託(家族やレトルト)をどんどん加速化させよう
無理せず、周囲の人の協力を得ることが大切です。