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うつ病の人が朝に動けない時に使える10個のヒント【今日から試せる】

 

うつ病 朝 動けない

うつ病になると、朝から動き出すことが出来ずに困ってしまうことってありますよね。

朝に少し目は覚ましたけれど、動けずにそのまま寝ていたら昼になる。

「あーまたやってしまった」と自己嫌悪から一日が始まると、気分も落ちてしまいます

 

この記事では、うつ病の人が朝から動けるようになるための、10個のヒントを紹介します。

 

この記事を書いている私は、メンタルクリニックで10年以上臨床心理士として勤務し、
年間1000件以上のカウンセリングを通して多くのうつ病の方の治療に携わる機会があります。私は、多くのうつ病の方とお会いする中で、生活リズムを朝から作っていけることが出来た方は、
その後の治療がどんどん進んでいくなという印象を持っています。その為、ここでご紹介する考え方や方法が、
今うつ病で悩んでいる人の朝を変えていけるヒントになれば嬉しいです。

 

              目次

  1.うつ病の人が朝に動けない時に使えるヒント【朝にやること】
1.1 カーテンを開けて朝日を浴びる
1.2 歯を磨く
1.3 2度寝OKと考えて、一旦布団から出て10分ほどリビングで過ごす
1.4 普段起きている時間よりも30分早く起きられるように目覚ましをかける

  2.うつ病の人が朝に動けない時に使えるヒント【昼にやること】
2.1 昼寝の時間は、20分まで。15時まで。
2.2 日中に身体を動かす時間を取る

  3.うつ病の人が朝に動けない時に使えるヒント【夜にやること】
3.1 お酒は控える
3.2 寝る直前まで、スマホやテレビなどを控える
3.3 ゆっくりした音楽を聴いたり、本を読んで過ごす
3.4 早寝を意識せず、寝たくなるタイミングでベッドへ

  4.それでも起きられない人へ【うつ病あるある】
4.1 自分をあまり責めすぎない
4.2 すぐに習慣化するのは難しいです
4.3 出来ることから始めましょう

  5.まとめ【うつ病で朝に動けない方はたくさんいます】

 

1.うつ病の人が朝に動けない時に使えるヒント【朝にやること】

1.1 カーテンを開けて朝日を浴びる

カーテンを開けて、陽の光を取り入れるようにしましょう。

出来れば一旦起きて、カーテンを開けたり電気をつけると良いのですが、

動けない人は、窓際にベッドを置いて、レースのカーテンのまま睡眠を取りましょう。

自然と陽の光が入ってくるような環境づくりも良いかもしれません。

陽の光は、うつ病の方に不足しているセロトニンの分泌を促進するため、治療的にも効果があると思います。

 

1.2 歯を磨く

とりあえず歯を磨くのも効果的です。

歯を磨くと、口の中がすっきりします。

もし、目の前に鏡があったら、「おはよう。良く頑張って起きたね。」と自分に対して優しい一言を。

ポジティブな自分の声掛けも気持ちが良い朝には大切です。

 

1.3 2度寝OKと考えて、一旦布団から出て10分ほどリビングで過ごす

もう一度寝ても良いからと自分に伝え、一旦布団から出てしまいましょう。

身体を一旦起こしてあげることで、少し眠気が無くなってきます。

10分の間で出来ることとしては、

① コップ1杯の水を飲む
② ベランダに出て陽の光を浴びる
③ 歯を磨く
④ パジャマから着替える(出来るなら) 

といったことが出来ると眠い気持ちから切り替えやすくなるでしょう。

それでもやっぱり眠いよ・・って方は、もう一度2度寝をしても良いと思います

(ここで2度寝をしないと、「2度寝しても良い」と決めた自分のルールから外れてしまうので、一旦起きること自体が出来なくなります)

 

1.4 普段起きてに目覚ましをかけるいる時間よりも30分早く起きられるよう

お昼の12時に起きていた人が、いきなり8時に起きることは難しいでしょう。

まずは、普段起きている時間帯から30分前倒しで起きるように目覚ましをかけましょう。

目覚ましで起きたら、上で紹介したような活動を試してみてください。

 

2.うつ病の人が朝に動けない時に使えるヒント【昼にやること】

2.1 昼寝の時間は、20分まで。15時まで。

昼間に眠気が出てきた時に、昼寝を取るのも効果的です。

適度な昼寝は気分をリフレッシュさせます。

しかし、あまりに長く寝てしまうと、逆に夜が寝にくくなってしまいます。

その為、昼寝は20分が目安です。そして、15時までに取りましょう

15時以降の昼寝は、やはり夜の睡眠に支障が出て来てしまう可能性があります。

 

2.2 日中に身体を動かす時間を取る

身体を動かすことで、良い疲れを身体に蓄積することが出来ます。

近くを散歩したり、コンビニまで買い物に行くなども良いでしょう。

ウォーキングをしよう・マラソンをしようなどと頑張りすぎないことがまずは大切です。

毎日少しずつ取り組めるようなことから始めるのが大切です。

 

3.うつ病の人が朝に動けない時に使えるヒント【夜にやること】

3.1 お酒は控える

お酒を飲むと、睡眠の質が悪くなる傾向があります。

特に、睡眠導入剤を飲んでいる人は、薬と一緒に飲んでしまうと、

効果が効きすぎてしまったり、逆に効きづらくなるなどが起こります。

お酒を飲む場合は、少量・睡眠を取る3,4時間前までにしてみましょう。

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3.2 寝る直前まで、スマホやテレビなどを控える

スマホやテレビの光は、人が感じられている以上に強い光です。

ブルーライトと呼ばれるこの光は、脳が昼間であると錯覚してしまうほどの効果があると言われています。

ついつい見てしまうスマホですが、就寝前には控えるようにしてみましょう。

 

3.3 ゆっくりした音楽を聴いたり、本を読んで過ごす

寝る前は、スローテンポのゆっくりとした音楽を聴いたり、

本を読んだりして過ごすのも良いでしょう。

照明は間接照明にするなど、全体的に少し暗めの環境を作ります。

 

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3.4 早寝を意識せず、寝たくなるタイミングでベッドへ

早く起きようと意識すると、どうしても早寝をしようとしますが、逆効果になります。

眠気が無いままベッドに行ってしまうと、寝られずにもんもんと過ごす時間が出来ます。

そのような時間は、逆にネガティブな考えが出て来てしまったり、

寝られないことで焦りが出て来てしまいます。

 

眠気を感じ始めたぐらいになったら、寝室に行きましょう

 

4.それでも起きられない人へ【うつ病あるある】

4.1 自分をあまり責めすぎない

自分が起きたい時間に起きられないと、

「なんで私は出来ないんだ」と自分を責める気持ちが出てくるかもしれません。

しかし、それは自分が怠けている訳ではなく、うつ病のせいでもあります。

うつ病の症状として、朝から午前中にかけては体調が悪く、
夕方ぐらいになってくると調子が上がってきます(日内変動と言います)。

その為、自分の意志だけではどうすることも出来ない時期があります
うつ病の初期段階では、「休息が一番。まずは寝て過ごすことが大事」という時期があります。

主治医の先生に相談をして、体調が回復して来たら、朝の過ごし方の工夫を始められるのも良いでしょう。

4.2 すぐに習慣化するのは難しいです

今までの習慣を変えることは、とても難しいと思います。

特にうつ病の治療をしている段階では、身体が自分の思い通りに動かないことも多くなります。

また、体調が良い日もあれば悪い日もあると、アップダウンがあるのも、うつ病の特徴です。

安定して過ごせるように習慣化するには、時間がかかるものだと考えておきましょう。

 

4.3 出来ることから始めましょう

全てのヒントを一気に始めるのは大変です。

まずは、調子が良い時に、一つ取り組んでみるかぐらいの感覚で良いのかなと思います。

少しでもやれることがあったら、「1つしか出来ていない」ではなく、
「1つ出来た。良く頑張った。」と、自分でやれたことを認めてあげましょう。

 

5.まとめ【うつ病で朝に動けない方はたくさんいます】

ここでは、うつ病の人が朝動けない時に使えるヒントをご紹介しました。

朝に動けないことに困っているうつ病の方はとても多く、
起きられないことによって自分を責めてしまうことが余計に治療的にもマイナスになりやすいでしょう。

うつ病についての理解を持ちながら、少しずつ取り組めることが大切です。
自分は治療段階のどのタイミングだろう?と分からない時には、主治医に聞いてみるのも1つです。

こちらの記事を参考にされてもよいでしょう。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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