メンタルクリニック通院手引き

精神科初診で 薬ってすぐに出されるのか心配

メンタルクリニックに初めて行こうとする時のハードルとして薬がすぐに出されるんではないかという心配があると思います。他の科にかかる時にはお薬が出される心配はしないのに、なぜメンタルクリニックだと心配になるのでしょうか?多くの場合以下の理由が考えられます。

1.精神科の薬には依存性があるのではないか?

2.副作用で体がしんどくなるのではないか?

3. お金がかかるのが嫌

4.家族が薬を飲むことに反対をしている

これらの心配や不安についてひとつひとつ説明し、をして行こうと思います。

1.依存性があるのではないか?

 精神科の薬には依存性が強いものと弱いものがあります。過去のお薬と比べて現在は、 依存性がかなり弱くなっています。依存性を心配される方の中には、 過去のイメージが強くある方もいらっしゃるかもしれません。

  しかしながら、一般的に薬の依存性が強いといわれるお薬の中に、抗不安薬と呼ばれる不安をやわらげるお薬があります。それぞれの薬の効果は違いますが、特に、効果がすぐに出て症状を和らげる強さがあるものについては依存性が強いとされされることが多いです。 その薬があることで安心につながるという作用も強くなり、量が増えるというよりかはそれがないと不安となる方が多くいらっしゃいます。

 ではどうすれば良い?

 ①量を少量にすること

  なるべく飲む頻度や量を減らし、お薬を使わなくても生活できるように意識します。

 ② アルコールと併用しないことを気を付ける

  アルコールと一緒に内服すると、効果に波が出て来ます。効果を感じにくくなり、量を増やしてしまうことに繋がります。内服している時は、アルコール摂取を控えるか、一定時間を空けて内服するようにすると良いでしょう

 ③お薬以外の治療方法を考える

  お薬以外に、自分んで出来る治療的な行動を取り入れてみましょう。環境を調整や、食事療法・運動療法・カウンセリングなども効果が高いと思われます。具体的にどうすれば良いのかについては、主治医に相談するのも良いでしょう(改めて、別の記事書きますね)。

2.薬の副作用があるのが心配

 お薬を飲むと、頭がぼーっとしてきたり、眠気やふらつきが強くなってくるって聞いたことがある人もいるかもしれません。実際に、抗不安薬のような、不安を和らげるお薬には、鎮静作用と呼ばれる落ち着く作用があります。その為、不安が軽減し、気持ちが落ち着く効果と同じように、眠気を感じやすくなるかもしれません。

 では、どうすれば良い?

 ①様子を見る

  お薬の副作用は、人によって違います。その強さもまちまちです。飲んでみながら、副作用の有無を確認します。何日か過ぎると、副作用が減っていく方も多いですので、様子を見ながら主治医と確認していくことが大事です。

 ②副作用を上手に使う

  眠気が強くなるお薬なら、その副作用を利用して、夕食後や就寝前に内服をするなど、飲む時間帯を変更することで、マイナスではなく+プラスの効果として対応することも出来ます。

 ③薬を変える

  あまり強く出る場合には、薬の量だけでなく、飲んでいる種類を変えることも出来ます。副作用だけでなく、困っている症状の変化も合わせて見ていき、合わない場合は、主治医に相談しながら薬を変えていきましょう。

3.お金がかかる

 メンタルクリニックの治療は、比較的長期間になる場合があります。その為、定期的な治療をすると、診療代に加えて、お薬代がかかって来ます。

①お薬をジェネリック薬品にする

 ジェネリック薬品とは、「後発品」などと呼ばれることがありますが、元々の薬より後から出されたお薬です。主成分は変わらないため、ほとんどの場合効果が変わりません。元々の薬である「先発品」と比べて、料金は安くなります。また、先発品と比べて、飲みやすく改良されている場合なども多く、「後発品=先発品の劣化品」と考える必要はありません。

②治療費を抑えるサービスを利用する

 メンタルクリニックの通院が、継続的に必要になってきた場合には、自立支援制度(診療代が、1割に抑えられる)や、お仕事を休んでいる人は、傷病手当金などの制度を利用できます。詳しくは、別の記事<重要>精神科通院を助けてくれるお金に関する5つの方法を参照してください。

4.家族や周囲から薬を飲むことを止められる

 家族にメンタルクリニックに行くことを伝えると、多くは薬はなるべく飲まない方が良いと言われたり、そもそもメンタルクリニックに行くことも否定されることがあると思います。その多くは、メンタルの病気に対する理解が少ないことが影響しており、「頑張りが足りないから、病気になるんだ」と精神論をぶつけてくる場合があります。

どうすれば良いか?

①家族にちゃんとした病気の理解をしてもらいましょう

 偏見の多くは、知識不足によるものが大きいです。ご本人が治療を始めることに難しさを感じるのと似ています。薬の効果やお金のことへの知識を家族が得られることで、協力してもらえることが増えてくると思います。一つの方法は、ご家族にも一緒に病院に来てもらい、心配な事を主治医の先生に話を聞いたり、相談することも良いでしょう。

最後に

 薬をすぐに出されるかどうかは、その方の症状や状態、主治医の治療スタイルによって変わります。薬自体が悪いというよりは、薬に対する偏見を軽減したり、薬のみに頼らずに、カウンセリングなどの治療方法を一緒に併用するのも良いかもしれませんね。

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