こんな質問にお答えします。
カウンセリングの頻度は、相談者の状態や目的、扱う心理療法によって変わってきます。フロイトが始めた精神分析では、週5日行うことがスタンダードでした。
現在、カウンセリングの相場は10000円前後とされています。
かなり高額な治療法となります。
頻度を決める上で、経済的な面を考える必要は大切です。効果的なカウンセリングを行うために、知っておいた方が良いことをご紹介します。
こんな方におすすめ
- これからカウンセリングを始めようと思っている人
- カウンセリングの効果的な頻度について知りたい
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目次
カウンセリングの頻度で、一般的に多いのは?
カウンセリングの頻度は、以下のパターンが多いと思います。
週1回 /隔週1回 /月1回 /オンデマンド(希望に合わせて)
結論からお伝えすると、私がお勧めする頻度は、週1回または、隔週1回です。
その理由は以下の通りです。
✅ カウンセラーとの関係性を作ることが必要
✅ 自分の課題と向き合う時間は定期的に行う必要
✅ 頻度が空いてしまうと、あなたが苦しくなることもある
順に1個ずつ解説しますね。
カウンセラーとの関係性を作ることが必要
カウンセリングは、一般的にカウンセラーと1対1で行います。
自分の気持ちを話すにはカウンセラーに対して信頼感を持てることが大切です。
信頼関係を作るには、1,2回会っただけでは難しいでしょう。何度か会い続ける中で、少しずつ関係を築いていけるものです。
間隔を空けずに会うことで自分の事をより話しやすくなるでしょう。
結果、自分の課題の深い部分まで掘り下げて考えていくことができます。
自分の課題と向き合う頻度は、定期的に行う必要があります
カウンセリングを受けようと思うきっかけは様々です。
受けようと思う課題は、あなたにとって一人で抱えられないぐらい大きなものでしょう。大きい課題を改善していくには、継続してカウンセラーと話し合いをします。
気分によって、カウンセリングの頻度を変えていくようなことはしません。
中学や高校の部活を思い出してください。
新しいことを学ぼうと思ったら、練習を何度も繰り返したと思います。
野球部ならバットを何度も振り、先生や先輩に指導してもらいながら、自分が自然と出来るようになることを目指したと思います。
カウンセリングは、部活のような体育会系のノリではありません。
しかし、繰り返し自分のことを考えることで、
自分の考え方の癖
自分にあった立ち振る舞い
を見つけていくことが出来ます。
自分の癖が分かるようになると、そこから外れた時に自分で気づくことが出来るようになります。
「これはいつものパターンだから駄目だな。」
そう考えられるようになったら、自ら修正をしやすくなります。
月1回ぐらいのカウンセリングの頻度では、このような自分を理解することは難しいと思います。
頻度が空いてしまうと、あなたが苦しくなることもある
カウンセリングでは、普段話せないような話をすることがあります。
すると、自分で抑えていた感情の蓋が動きやすくなり、結果的に感情が色々と出て来ます。
一旦動き出した感情は以前ほど簡単には抑えられなくなることがあるでしょう。
この感情は、本来もっと早い段階で感じられ、そして収められるべき感情だったりします。
つまり、長年自分の中で抑えてきたことにより、自分が苦しくなってしまう要因の一つになっています。
一度動き出した感情や思考は、カウンセリングの時間が終わった後も動き続けるでしょう。
日常生活で考える時間が増えたり、感情に触れやすくなります。
その時、カウンセリング以外の時間があまりに長い場合、一人でその時間を過ごさないといけなくなります。
正直、その時間はとてもきついと感じられるかもしれません。
カウンセリング初期では特に強く感じるでしょう。
自分の気持ちをコントロールするには、ある程度自分の感情を抑える必要があります。
しかし、あまりに固く抑えてしまうと、感情の行き場がなくなります。その結果、体調不良という形で出てくることもあります。
週1回など間隔を狭めることにより、あなたが開放できる自己開示の量や質は大きく変わってきます。
身体が安心を感じられやすくなるからです。
月1回で自己開示をすることは、自然とこころのストッパーが働きます。
「これぐらいで止めておこう」と。
ストッパーが働かないと、あなたが日常生活の中で苦しくなる時間が増えてしまいます。
月1回でも効果があるカウンセリングとは
✅ 話をして気持ちを吐き出す場として利用する
✅ 具体的なスキルを学んでいく場として利用する
✅ 一定の自己理解が進み、経過観察をする場として利用する
話をして気持ちを吐き出す場
周りに話が出来る人がいない
健康度は比較的に高い
ストレスを抱えながらも日常生活が送れる
自分が普段話せないことを、カウンセリングの場で話をすることで、スッキリと気持ちを楽にすることが目的の場合です。
毎日の生活の愚痴や不満を誰にも話せず、一人で抱えてつらい方などが良い例です。
話をすることで、気持ちを楽にしたり、しんどいなと生活の中で感じても
「次のカウンセリングで話をしよう」と考えることで、乗り越えられたりする場合があります。
比較的に健康で、ある程度のストレスを自分で抱えられる方に向いています。
具体的なスキルを学んでいく場
スキルを学びたい人(コミュニケーション方法/リラックス方法など)
対処法を学びたい人(宿題をやらない子どもへの対応/社会的資源の利用法)
具体的な対処法や、スキルを学んでいくことが目的の場合です。
例えば、人に上手に話が出来ない場合に、「アサーション」という、コミュニケーションの方法を学んでいくことなどです。
ある程度本などを読みながらも、スキルを獲得し、対人場面で生かせる方法を獲得することを目的とします。
あまり感情体験は扱わず、あくまでスキル獲得が中心となるでしょう。
一定の自己理解が進み、経過観察をする場
自己理解がある程度進んでいる人
自分で考えて、対処が出来る力はある人
日常が忙しく、定期的に振り返りをする時間が欲しい人
これまでに、定期的なカウンセリングを行い、自己理解が進んでいる方です。
1か月ごとの出来事を中心に報告をしながら、改めて課題を整理します。
来月に向けた目標を確認し、目標に向けて本人が取り組むことを後押しします。
カウンセリングにかかるお金と頻度についてもう一度考える
確かにお金がかかりますよね。
カウンセリング1回8000円だとすると、
週1回:32000円/月
隔週1回:16000円/月
月1回:8000円/月
となります。
月1回のカウンセリングなら、飲み会を2回分我慢すれば行ける料金になります。
しかし、週1回程度になると、3万円を越えて来ます。経済状況にもよりますが、今の生活を切り詰める必要が出て来ますね。
中間として、隔週カウンセリングは1つの選択肢でしょう。
隔週1回だと16000円となります。スポーツジムに通うと考えると、少し割高なスポーツジムのイメージでしょうか。カウンセリング自体をこころのスポーツジムだと考えれば良いのでしょう。
これから長い人生を考えた時、一時の出費を我慢して、その後の人生をずっと悩み続ける人生だと考えてみたらいかがでしょうか?
カウンセリングをすることで、日々の生活が楽になることも多いでしょう。自分を理解することで、思い描く自分らしい将来像を見つけたり、未来設計がしやすくなるのではないでしょうか。
多少の出費を気にするよりも、カウンセリングに一定期間通う方が、結果的にプラスになると考えらえるかもしれませんね。
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私のお勧めの頻度は、週1~隔週1回が良いでしょう。
✅ カウンセラーとの関係性を作ることが必要
✅ 自分の課題と向き合う時間は定期的に行う必要
✅ 頻度が空いてしまうと、あなたが苦しくなることもある
しかし、経済的に難しい・カウンセリングの目的が具体的な場合には、月1回の選択肢もありです。
ポイント
✅ 話をして気持ちを吐き出す場として利用する
✅ 具体的なスキルを学んでいく場として利用する
✅ 一定の自己理解が進み、経過観察をする場として利用する
自分が使えるお金との相談も大切です。過度に生活資金を圧迫してしまうと、そのこと自体がストレスになってしまいます。
自分の目的や使える予算などをカウンセラーに相談してみましょう。効果的な手法や目標設定をする為の提案が得られるのではないかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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