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うつ病の急性期の過ごし方【1日のスケジュールで解る】

うつ病急性期の過ごし方

 うつ病と診断をされた場合、その後の治療がどのように進んでいくのか心配だと思います。うつ病を「こころの風邪」と表現されることも多いですが、一般的な風邪のように、短期間で少しずつ回復することは少なく、一定の治療期間は必要であり、かつ良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。


 ここでは、大まかな治療の段階を4つに分けて紹介し、その中でも最初に見られる急性期について説明します。その時期ごとに行うべきことは違います。回復段階に基づいた行動を心掛けるだけでも、治療は進みやすくなります。大事なポイントを3点お伝えし、かつ1日の過ごし方を具体的な行動レベルで紹介していきます。

■  目次  ■

1.うつ病の経過ってどう進んでいくの?

2.急性期の過ごし方で最も大事な3つの事(補足あり)

 2.1 休息を取る

 2.2 薬を飲む

 2.3 ストレスから離れる

 2.4 補足(病気への理解)

3.急性期の1日の過ごし方

 3.1 朝の過ごし方

 3.2 昼の過ごし方

 3.3 夜の過ごし方

4.まとめ【休息することが難しいあなたへ】

では早速いきましょう。

1.うつ病の経過ってどう進んでいくの?

うつ病急性期って?

① 急性期 (約1か月~3か月目)

 うつ病の症状が最も重い時期です。身体が思うように動かずにほとんど寝たきりの状態になることが多いです。寝ていてもなかなか疲れが取れることも無く、ぐったりとした状態が続いている時期です。うつ病の治療の中でも最も辛い時期であり、このまま回復していかないのではないかと先行きの見通しが持てずに不安を感じることが多いと思います。

② 回復期 (3か月目~6か月目)

 少しずつ症状が軽くなってきます。日中にも少しずつ活動出来る時間帯も増えて来ます。しかし、少し活動すると、次の日にはぐったりとしてしまうなど、頑張りすぎると疲れてしまいます。調子が良くなったり悪くなったりと一進一退の状態が続くのが特にこの時期です。また、元に戻ってしまったと悲観的に考えず、体調の波を少しずつ安定させていくことを目指します。

③ 部分寛解期 (3か月目~6か月目)

 うつ状態が比較的収まり、症状によって振り回されなくなる時期を「部分寛解期」と言います。この時期には、少しずつ社会復帰に向けた具体的な行動を進めていきます。休職中の方は、この時期にはリハビリをしながら、職場に戻る準備をしていきます。復職をしても、まずは残業制限をする、出張は控えるなど一定の制限をかけながら仕事をしていきます。

④ 完全寛解期 (8か月目~12か月目)

 部分寛解期が2か月ほど続いた状態を指します。うつ病が再発しないように心がけながら生活をしていきます。少しずつ減薬をしていきながら、薬を減らしても安定した生活が送れることを確認しながら、治療終結を目指します。    

⑤ 治療終結(12か月目~)

 この時期には、お薬を内服せずに安定した日常生活を送ることが出来ます。しかし、うつ病は、再発の可能性が高い病気だと言われています。病気になる前の生活に戻ると、再発するリスクは高まります。常に自分の体調に気をつけながら生活を送ることが大切です。

※ 治療段階の期間は、あくまで目安となります。人によって長くなる人も多いですので、自分のペースで治療を進めていくことが大切です。

2.急性期の過ごし方で最も大事な3つの事(補足あり)

急性期に大事な休息

 2.1 休息

 一番重要なことは、休息を取ることです。これは繰り返し伝えたいぐらい重要です。急性期はエネルギーが枯渇している状態なので、まずはエネルギーを補給する行動を最優先します。寝られるようなら寝ましょう。横になってぼーっとする時間があっても良いと思います。この時期は「休息>活動」を意識した生活を送ることが大切です。

 2.2 薬を飲む

 病院から処方されているお薬はちゃんと飲みましょう。生活はまだ安定する時期ではないので、場合によっては、朝食後に飲むはずのお薬があっても、起きたら昼過ぎていたということもあると思います。お薬を飲むタイミングでなかなか起きられず、薬の飲み残しがある場合などは、主治医に相談し、今の生活に合ったタイミングで飲めるような処方に変えてもらうなど、相談をしてみるのも良いでしょう。

 また、お薬によっては副作用がある場合があります。個人差がありますので、この時期に薬を色々と試して、自分に合った薬を探していく時期でもあります。早急な改善を目指さず、副作用の有無なども主治医の先生に相談をしながら進めていきましょう。

 2.3 ストレスから離れる

 なるべくストレスになっていることから離れて生活をしましょう。お仕事の負担がある場合は、休職をして家で静養することも大切です。また、家庭内のストレスなどやるべき家事などがある場合には、ご家族と相談して、行う範囲を限定したり、家族に役割をお願いしたりして、可能な限り休息の取れる時間を作ることが大切です。

 2.4 補足(病気への理解)

★自分の病気を知り受け入れる
自分がうつ病になっているということを、受け入れていくことが大切です。病気の理解と、うつ病急性期の過ごし方を取り入れていけるようにしましょう。

★周囲(家族)が病気を知り、受け入れいる
家族の人にも、あなたの病気について理解をしてもらう必要があります。なるべく休息が取れるような環境づくりには同居する家族の理解が必要です。

3.急性期の1日の過ごし方

急性期の1日のスケジュール

 3.1 朝の過ごし方

 朝起きたら、カーテンを開けて陽の光を入れましょう。陽の光を浴びることで、セロトニンが分泌されます。これはうつ病の方に不足しているものの一因だと考えられているものです。

 食事は取れたら取りましょう。果物やヨーグルトなど勿論栄養のバランスを考えた食事が理想ですが、この時期は口に入れられそうなもので良いでしょう。

 朝食後の薬を飲んで、またベッドでゆっくりしましょう。そのまま寝ていても良いです。

 3.2 昼の過ごし方

 昼間も寝ている時間がほとんどだと思います。もし目が覚めていたとしても、なるべくぼーっとした時間を過ごせると良いでしょう。人によっては音楽をかけたりTVの音を流していることが心地よいという人もいますが、多くの方は耳障りだと感じやすいようです。

 3.3 夜の過ごし方

 夜は少し気持ちが落ち着いて来る時間も出てくるかもしれません。しかし、日中の過ごし方同様に、なるべく体力を使わないような過ごし方が大切です。食事を取って、薬を飲んで、22時ごろには寝られるようにしましょう。

4.まとめ【休息することが難しいあなたへ】

ゆっくり休みましょう

 これまでに、うつ病の急性期の過ごし方について紹介をしました。急性期の治療の中で最も優先する行動は、「休息を取ること」です。しかし、多くの方が休息を取ることへの抵抗があります。休息を取ることへの罪悪感や、自分の今の状態を受け入れがたく、すぐに元に戻ろうとする方です。中には、「そもそも休息ってどうやって取れば良いのか分からない」と、休息の仕方が分からない人もいます。

 家の中で寝たきりの状態になることを受け入れるという方が、難しいのかもしれません。ただ、休息を取ることが難しいという事実について、しっかりと受け止め、少しずつ「休息を取ることに慣れる」ことも大切です。この時期に、生活リズムを整えようとしたり、勉強を始めたりするのは時期早々です。まずは、エネルギーを貯める為に出来ることを始めましょう。この時期をしっかり休息に充てることが出来ると、次の回復期に向かう準備が出来ます。

うつ病回復期【前期】については、うつ病回復期の過ごし方【前期】を参照してみてください。

 

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