メンタルクリニック通院手引き

うつ病の人が入院をする7つのメリット【臨床心理士解説】

うつ病の治療が始まると、多くの方がメンタルクリニックに通院することになります。

通院をしながら、自宅療養をしたり、軽快してくると、お仕事を再開しながら、内服治療を続けられる方もいます。

一方で、症状が軽快しない、逆に急激に悪化している時には、入院治療が必要な場合があります。

人によっては、ドクターから勧められた人もいるかもしれません。

「精神科病院に入院って・・・ちょっと怖い」

「薬漬けにされてしまうのでは・・」

などと、不安を通り越して恐怖すら感じてしまう人も多いかもしれません。

この記事では、うつ病の人が入院を考える時に、知っておいて欲しいことを説明します。

特に入院によるメリットを7つを紹介します。

この記事を読むことで、これを知ることが出来ます。

 

✅ うつ病の方が入院をするタイミングを知ることが出来る

✅ 入院をすることのメリットを知ることが出来る

 

この記事を書いている私は、メンタルクリニックで10年以上臨床心理士として勤務し、

年間1000件以上のカウンセリングを通して多くのうつ病の方の治療に携わる機会があります。
多くのうつ病の方とお会いする中で、症状が悪化する方や、なかなか治療が進まずに苦しんでいる方がいます。

クリニックという性質上、入院対応が出来ないので、病院へご紹介することが多いのですが、
入院をすることで治療が前に進んでいくケースも多く見られます。

その為、ここでご紹介するメリットを知ることで、今うつ病で悩んでいる人が
入院も1つの選択肢として考えていければ嬉しいです。

1. 生活リズムを安定

 

うつ病の症状の傾向として、午前中が辛く、夕方にかけて体調が回復していく傾向があります。

その為、体調に合わせた生活を送っていると、どうしても夜型になりやすく、

場合によっては昼夜逆転してしまう可能性があります。

 

午前中に目を覚まして朝日を浴びる・少し身体を動かす活動を取り入れるといった

日常生活のリズムがなかなか作れない人にとっては、入院することで少しずつ生活リズムを安定させることが出来ます。

2. 食事や服薬などの安定

バランスの取れた食事を取ることや、内服を安定して行うことを目指します。

特に一人暮らしで周囲にサポートが無い方の治療では、食事や内服が安定しない場合があります。

 

栄養を取ることと、お薬を飲むことは治療の基本であり、治療を進めていく上で、まず安定させることが大切な事です。

※内服については、お薬に抵抗を感じていたり、体調が不安定で忘れがちだと、ちゃんと飲めていない場合があります。

医師の指示通りの内服が出来ていないと、副作用が出てしまったり、症状の改善に時間がかかってしまう可能性が高くなります。

3. 日中の安全確保

うつ病の方が抱える最も高いリスクは自殺です。

将来を悲観的に考えたり、自分の存在価値なんて無いと自分を責めてしまう気持ちが、時には自殺を考えるきっかけになります。自殺について考えるだけでなく、具体的に準備をしたり、行動に移してしまう可能性があります。その為、自殺の危険性が高い場合には、入院をしてまずは命の安全を確保することが大切です。

4. 家族が一旦休息出来る

うつ病で治療されている方は当然ですが、その方の家族の支えも大切です。常に一緒に生活をしていると、過度に気を使いすぎて疲れてしまったり、時にはぶつかりやすくなることもあります。感情の波が強いうつ病の方では、イライラ感が抑えられず、家族に対して暴言や暴力など、家庭で暴れてしまうといったことも起こります。その為、本人が入院をすることによって、一旦家族も休息を取ることが出来ます。うつ病の治療は、長期的になる場合があります。症状が長く続いている場合には、入院をして物理的に離れることによって、お互いに休息が取りやすくする工夫も大切になります。

5. ストレスから離れられる

うつ病の治療では、ストレスから離れて休息を取ることが大切です。一緒にいるご家族との関係があまり良くない場合や、家事や介護など「ストレスだが、やらざるを得ない日常タスク」がある方にとっては、一旦離れて過ごすことも大切です。また、ストレスとなる職場から頻繁に連絡があるなど、ストレスになることが守られない環境で居続けることは、負担になりやすいでしょう。

6. 適切な診断や治療をすることが出来る

うつ病の治療は外来での通院がメインになります。しかし、症状が長期化していたり、薬の調整などが難しい場合に、入院を行うことがあります。入院中に、お薬の見直しを行ったり、心理検査を行い、ご本人の理解を進めていくことがあります。入院という「安全が確保された環境」だからこそ、見直しを図れるというメリットがあります。

7. 退院後の治療について、見通しを持つことが出来る

 

退院後は、外来通院を続ける場合がほとんどです。帰宅後の生活についてのポイントや注意点などを確認します。ご家族を呼んで、ご家族に対するアドバイスを行う場合もありますし、デイケアや訪問看護など、他のサービスを利用するような治療体制をあらかじめ構築した上で、退院をすることがあります。一時の休息に留まらず、効果的な治療への道筋を見つけていく為に、話し合いを通して決めていきます。

※クリニックからの紹介で、病院に入院した場合は、原則紹介先のクリニックに戻ります。その場合は、退院後にクリニックの主治医と今後の治療方針について話し合い、決定していく場合が多くなります。

入院中に行った検査や状況については、退院時に診療情報提供書という文書の形で渡されます。それをクリニックの主治医が確認した上で、今後の治療方針を決めていきます。治療が途切れることなく、安定して継続していける体制を整えていきます。

 

8. まとめ【入院には抵抗を感じるけれど、メリットも多いです】

ここでは、うつ病の方が入院をする上でのメリットを7つ紹介しました。精神科病棟への入院には、物理的だけでなく、心理的な抵抗が強い方も多く見られます。うつ病の方が急激な環境変化をすることはあまり良くない場合もありますが、入院治療にシフトするという環境変化は、時に治療を前に進める機会となります。
また、メンタルクリニックのような入院施設の無い所へ通院されている方の場合、特に症状が悪い時には、一旦入院をすることで乗り越えられる機会ともなります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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