以前、うつ病の人は、転職をしない方が良いと書きました。
うつ病の人の転職をお勧めしない理由は、過去のブログを参照してください。うつ病の人が退職をしない方が良い5つの理由【失敗談あり】
それでもやはり今の仕事を継続するよりも、転職の方が良いと考えて、行動に移したい気持ちが強い場合は、これは事前にやっておいた方が良いなと思うことを5個紹介ます。
ここでの対象となる方は、現在うつ病で仕事をお休みしている人で、復職ではなく転職を考えている人となります。
では、さっそくご紹介しましょう。
目次
1.自分の周りに相談をする
自分一人で決めずに周囲に相談をすることは大切です。
メンタルクリニックの先生やご家族にはまず相談をしましょう。
気づいたら転職を決めていたという状態は、周りも心配になるでしょう。
メンタルクリニックの主治医の先生は、あなたのメンタルの調子を定期的に見ています。
その為、今の状態をどのように見ていて、今後の治療方針(薬の治療なのか・カウンセリングも併用するのか・どれぐらい治療にかかるのか)についても、考えていることがあると思います。
主治医の先生に、転職を考えていること、メンタル及び体調面が、転職行動を行う上で、回復しているのかどうかを相談してみましょう。
また、ご家族やご友人など身近な人は、あなたのことを客観的に見ることが出来る貴重な存在です。
ご家族にとっても、あなたの判断によって、大きく生活面が影響されます。
転職という言葉に隠された、「転職という一過性のものでは無く、仕事を続けていくということ」を考えると、ご家族のサポートも必要になります。
しっかりと話し合いをすることが大切でしょう。
2.転職の目的を明確化する
なぜ転職をしたいと考えているのかについて、しっかりと掘り下げて考える必要があります。
「もう疲れた。色々考えたくない。」と離れることが優先されていませんか?
今の状況から逃れたいという後ろ向きな理由ばかりで、物事を進めてしまうのは危険です。
なぜかと言うと、問題があった時の対処方法が「その場から離れる」という方法だけになってしまう可能性があるからです。
逃れるという回避行動は、大切なストレス対処の一つにはなりますが、それだけだと、今後も繰り返してしまう可能性が考えられます。
自分が仕事に対して、何を大切にしたいかという価値観を考えることが大切です。
優先順位を考えて、優先順位が高い順に、仕事の選択をしていくことが必要になります。
3.社会情勢の動向など、転職業界の現実を知ること
うつ病の方が転職をする場合の多くは、本人に特別な資格や経験が無い場合は、待遇は今よりも落ちる可能性は高いです。
特に給与面なども下がる可能性はあります。
全く新しい分野に転職となると、1から学ぶ必要が出て来ます。
年齢を重ねてくると、覚えることが難しくなる可能性があります。
「俺はもっと上の立場でやってきたんだ」というプライドがあると、
年齢が自分よりも若いスタッフから教えてもらうことなどに抵抗が強くなる可能性があります。
4.傷病手当を申請。退職後も続ける
もしうつ病により、現在職場を休職中であるとしたら、傷病手当を申請し、給与面の補助を確保しておくことが大切です。
1年6か月という期間の中で、体調を整え、復職も転職も出来る準備を整えておきましょう。
もし退職をしてしまっている場合でも、傷病手当を申請することは可能です。
傷病手当についての詳細は、失敗しない】傷病手当の手続きを臨床心理士が解説【メンタルクリニック】を参照してみてください。
5.転職ありきではなく、今出来ることを実践する
うつ病の人が転職しようとする場合、転職ありきになっている場合があります。
しかし、転職することが第一優先になるのかを考えてみることです。
「労働時間が長い」「自分の時間が取れない」など不満があるようなら、労働時間を短縮する方法や、余暇の時間の過ごし方について考えることも大切かもしれません。
人間関係がうまくいっていないとしたら、どうやったら人間関係が上手に回るように出来るのか。
相手を変えることは難しいですが、自分の対応の仕方や、考え方などに工夫できる部分があるかもしれません。
6.うつ病の人が転職する前にやるべきことのまとめ
うつ病の人が、元々働いていた職場に戻り、仕事を続けることは、とても難しいと考えることがあります。
実際に、難しい場合もありますが、まず転職を行う前に考えることや準備が大切です。
転職というのは、一時の行為ではなく、その先に安定して仕事を続けるという面が大切だからです。
一時の気持ちのあり方で転職に走るのではなく、事前に周囲に相談をしたり、改めて転職をする目的などを考えることも大切でしょう。