うつ病の治療がスタートする時って、どんな方法で治療をするのでしょうか?
お薬を使うのかな・・・それともカウンセリング?
それとも会社の人と話をして仕事の環境を変えていく相談が必要なの?
何から手を付けていいのか良く分かりません。
今挙げた3点は、どれも大事なんです。
どれもこれも治療に取り入れていくことにより、治療の効果を生みやすくなると思います。
だからどれも正解!
けれど、実際に良く分からない・・という方に向けて、ここでは、柱の一つになる「うつ病の人への薬物療法」について、説明を行います。
メンタルクリニックで処方されるお薬ってどういうものなのか今一つ分からないという人もいるでしょう。
ここでは「抗うつ薬」(うつ病に効果のあるお薬)を中心に、飲み方のポイントや、良く聞かれる質問に答えるような形で、ご紹介しますね。
■ 目次 ■
1.はじめに【抗うつ薬を飲むこと】
2.抗うつ薬の特徴
2.1 効果が出るのに2週間以上かかる
2.2 効果が感じられない場合の対応
2.3 抗うつ薬は一人一種類が基本
3.抗うつ薬以外のお薬について
3.1 抗不安薬
3.2 気分安定薬
3.3 抗精神病客
3.4 睡眠薬
4.まとめ【信頼できるお医者さんと二人三脚だよ】
目次
1.はじめに【抗うつ薬を飲むこと】
うつ病の症状には、やる気が出ない・気持ちが落ちていくといった症状だけではなく、食欲が落ちていく・眠れないなどの症状が見られる場合があります。
抗うつ薬は、うつ病の人に処方されるお薬になります。
うつ病の人の脳内には、情報を伝達する神経伝達物質が減少したり、通常通りに機能していないことにより、うつ症状が続いています。
その為、これらの機能を正常に戻すことを目的としています。
2.抗うつ薬の特徴
個人の年齢や症状の強さ、他の病気の有無などいくつかの条件も含めて、お薬の選択をしていくことになります。
違いがあると共に、共通して起こり得る状態や、疑問点などを紹介します。
2.1 効果が出るのに2週間かかる
薬の効果を感じるのに、2~3週間かかります。
効果の有無を調べるためには、一定期間飲み続ける必要があります。
のどの渇きや吐き気などの副作用がある場合があります。
そのような副作用の有無についても人それぞれ違います。
勝手に飲むのを止めず、副作用が長く続くようなら、ドクターに確認をしていく必要があります。
2.2 症状が改善しない場合は
薬の効果が見られない場合には、徐々に薬の量を増やしていきます。
そして、効き目が見られない場合は、少しずつ薬の量を減らしながら、他の抗うつ薬に変更していきます。
2.3 抗うつ薬は一人1種類が基本
薬の種類はなるべく少なくすることが大切です。
複数の薬を使うことで、どの薬の効果が出ているのか分かりづらいのと、
それぞれの作用がぶつかり合い、逆にマイナスの効果になることもあります。
しかし、薬の調整時には、いくつかの薬を並行する場合もあります。
3.その他の薬
3.1 抗不安薬
不安を抑えることを目的に使われます。
比較的効果がすぐに感じられやすい為、治療の最初の段階から使われ、気分を安定させることを目指すことが多いです。
ただし、抗不安薬は、長期間飲み続けると依存を起こすことがあります。
漫然と飲み続けるのは止め、医師の指示に従って服用しましょう。
並行して心理療法を行うなどして、薬に頼らずに過ごせるようにしていくことも大切でしょう。
心理療法については、こちらの記事うつ病治療の3本柱【心理療法】【変わるのではなく選択肢を増やす】を参照してください。
3.2 気分安定薬
気分の波を抑えることが目的です。
気分が異常に高揚してしまう双極性感情障害の人に使われる場合があります。
リチウムやてんかんのお薬が使われます。
3.3 抗精神病薬
本来は、妄想や幻覚など精神病の症状に使われることが多いです。
しかし、重いうつの症状の方にも使われる場合があります。
3.4 睡眠薬
不眠症状の改善に使われます。
寝付けない・寝ても夜中に目が覚めてしまう(もう一度すぐに寝られない)・朝早く目が覚めてしまうなどの症状の改善を目指します。
不眠のタイプに分けて薬を使い分けます。
その時の目安が、薬の半減期です。
半減期とは、薬を飲んでから血中のくすっりの濃度が半分になるまでの時間を言います。
半減期が短い薬ほど、効果が持続する時間が短いということになります。
4.まとめ【信頼できるお医者さんと二人三脚だよ】
薬の服用で重要な事は、薬についての知識を自分でも調べてみることです。
何のために飲んでいるのか、どんな副作用が起きやすいのかなどを事前に知っておくだけで、今までと違う体調に気づくこともあるかもしれませんし、違いに慌てることも減ってくるだろうと思います。
しかしながら、お薬の選択や判断はドクターが行います。
今のお薬が自分に合っているのか、他の選択肢が無いのかなどと感じたら、ドクターに率直に相談をすることが大切です。
知識を持つことは大事ですが、自己判断が最も危険です。
途中でお薬を止めてしまうことで、抗うつ剤には離脱症状と言う、身体にマイナスな影響を与える可能性があります。
では、自己判断をしないためにはどうしたら良いか。
それには、ドクターとの信頼関係を築くということが大事になります。
信頼できるドクターであれば、指示にも素直に聞くことが出来ると思います。
逆に、信用できなければ、自己判断に繋がりやすいとも思います。
自分の状態を素直に伝え、自ら関係性を大事にして治療を行っていく気持ちが大切です(どうしたら良い関係をドクターと築くことが出来るかは、別の機会に記事にしますね)。