メンタルクリニック通院手引き

メンタルクリニック受診を拒否する人に受診をすすめる7つの方法【家族必見】

受診拒否

 自分の家族や大切な人が、とても苦しそうにしているのを見ているのは、とても辛いことですよね。実際に一緒に生活をしている家族にとっては毎日のことですし、日々どうしたら良いかと悩まれることもあると思います。

 体調を壊している本人が、何かしらの理由により、メンタルクリニックに受診することを拒否している時、その周囲の人達はどのように本人を受診に繋げたら良いのか?

 精神科ではなく、メンタルクリニックという表現が使われるなど、多少ハードルは下がってきたものの、未だに精神科にかかることへの抵抗は大きいのが現状です。「頭がおかしい人が行く場所」という偏見は、私が働いているクリニックでも聞かれます。

 ここでは、大切な人をメンタルクリニックの受診に繋げる方法を7つご紹介します。

■ 目次 ■

1.無理やり受診させるのは基本的にNG

2.拒否の理由を確認する

3.自傷他害の恐れがある場合は警察へ

4.救急車はあまり助けにならない

5.本人が困る状況をつくる

6.保健所や病院に相談をする

7.最終手段は移送制度

では、早速ご紹介します。

1.無理やり受診させるのは基本的にNG

 本人の同意が無く無理やり受診をしてもメリットはありません。なぜかと言うと、メンタルの治療は継続的な通院や薬の内服が必要な場合が多く、治療は長期になる可能性があります。その為、最初にメンタルクリニックに対する印象が良いか悪いかは、その後の治療関係を作る上で重要です。その為、本人との話し合いを出来る範囲で繰り返し、ご本人の同意を持って通院に繋がることをお勧めします。
 無理やりにでも受診をさせる必要がある場合は、自傷他害など命の危機がある時です。その時は躊躇なく受診をさせることが優先されます(後述しますね)。

2.拒否の理由を確認する

 まずは、本人がなぜメンタルクリニックにかかりたくないと考えているのかについて話を聞くことが大切です。もし、本人に病気だという認識が無い場合は、まずは、本人が困っていることを相談することを勧めるのが良いでしょう。例えば、眠れないことで、日中身体のだるさがあるとしたら、身体のだるさを治すことを目的に、最初の入り口は内科の受診を勧めます。その際は、精神科が入っている総合病院にかかると、院内で精神科に回してもらいやすいなど、結果的に精神科に繋がりやすくなるでしょう。 

 また、精神科=頭がおかしい人という固定概念があることから抵抗を感じる人も多いでしょう。そのような場合も、あくまで本人の話を丁寧に聞くというスタンスが大切です。家族の困り感は強いでしょうが、「黙って言うことを聞きなさい!」「いつまで家族に甘えてるんだ!」と感情的に訴えることは逆効果になります。冷静に淡々と話を聞くことが大切です。親からの話が届きづらい場合は、兄弟や友人など他の人が関わっていくことも突破口になる可能性があります。 

3.自傷他害の恐れがある場合は警察へ

 自傷他害とは、自分や他者を傷つける行為であり、それを行う可能性がある状態を指します。例えば、家で包丁を振り回している・家じゅうの物を壊したりと暴れており、本人または家族にもケガや命を脅かす危険な状態がある状況です。

 その時にはまず、警察に連絡です。警察が本人を保護し、そこから病院に連れて行ってもらいます。

 危機的な状況ですが、家族の多くは、暴れている状態にある意味「慣れてしまっている」可能性があります。いつものことだから・・と危機感が低くなっている場合があります。大丈夫と考えずに警察に連絡をしましょう。自分の認識以上に、危険な状態である可能性があります。それは、家族を守るだけでなく、本人の命を守るために大切です。

受診拒否

4.救急車はほぼ助けにならない

 困った時には救急車と考えることは多いですが、実際には救急車を呼んでも、本人が受診を拒否した場合には、病院に連れて行くことは難しいのが現状です。
ただ、例外としては、自殺企図・パニックで過呼吸発作を起こしているなどがあれば可能です

5.本人が困る状況をつくる

 本人が治療の必要を感じない場合の一つに、家族が本人のサポートを行うことで、本人が困らない状況を作ってしまっている可能性があります。例えば、本人にアルコールの問題がある場合、会社を休む時に代わりに会社に休みの電話を入れる、借金が出来たら文句を言いつつも肩代わりをしてしまうなどです。本人の為を思っての行為ではありますが、最終的に問題の責任を本人が自覚し、困らないと、治療には繋がりません。家族の関わり方について、再検討する必要もあるでしょう。

 家族全員の対応は一貫し、ぶれないことが大切です。本人が何かトラブルを起こして、繰り返し家族とのお約束を守れなかった場合などは、いくら「もうしないから今回は許してほしい」と懇願されたとしても、病院に行くよう家族全員が同じ対応をしましょう。家族はチームとして関わることが重要です。

6.保健所や病院に相談をする

 本人は受診を拒否しているが、家族が困っているという場合があります。その際には、まず家族が保健所などで相談をしてみるのも良いと思います。本人の様子や状況などを説明し、家族として出来ることを確認します。
 病院にも家族相談の窓口を持っている場所もあります。予め電話をし、相談可能かどうか聞いてみて下さい。

7.最終手段は移送制度

 移送制度とは、精神科治療が必要かつ有効にもかかわらず治療を拒否する患者を医療に結びつけるために、患者さんを搬送する制度のことを言います。方法として、家族がまず保健所に相談し、保健所の職員が事前調査始めます。Dr(精神保健指定医)が患者さんのところに行き、診察をします。必要に応じて入院することができます。決定後、保健所などの行政機関が病院への搬送を行います。

 実際には、警察通報された患者さんを、警察から診察の場まで搬送する移送制度(精神保健福祉法29条の2の2)の方が、むしろ主流になっています。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-002.html

受診拒否家族どうする?

■最後に

 家族としては、患者となる家族を病院に連れて行くことを望みながらも、出来れば連れて行きたくないという気持ちがあるかもしれません。嫌がる家族を病院に連れて行くことは、本人も嫌なのは当然ですが、それを行う家族にとっても辛い時間だと思います。しかし、今の環境から少し離れること・薬によって落ち着くこと・第3者を含めて話をすることはとても重要です。本人、そして家族を守るためと考えて、行動してみてください

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