
うつ病回復期前期では、ときどき体調が良くなる時間が増えてくるという感じだったと思います。
そこから比べて、安定した時間が多くなってくる時期が、回復期中期です。
何となく暇な感覚を持てたり、何かしたいな・・・けれど何をしていけば良いかな・・・と思えるようになります。
この頃より少しずつ、生活リズムなどを意識し始め、「休息から活動へ」と変化をしていくようにしていくことになります。
ここでは、うつ病の回復期の中期について紹介します。
うつ病回復期の前期については、うつ病回復期の過ごし方【前期】を参照してください。
■ 目次 ■
1.うつ病回復期中期とは
2.うつ病回復期中期の特徴
2.1 行動面
2.2 食事面
2.3 睡眠
2.4 思考・気持ち
3.うつ病回復期中期の過ごし方のポイント
3.1 先のことは考えず、今日1日または今週のことを考える
3.2 自分の身体の反応に常に意識を向けながら生活をする
3.3 出来ないことよりも出来たことを意識しましょう
4.まとめ【やっぱりうまくいかないでしょう】
目次
1.うつ病回復期中期とは

うつ病回復期の前期が、しんどい時間と気持ちが楽に過ごせる時間を比べたら、8対2ぐらいな状態だとすると、
回復期の中期のイメージは、大体5対5
しんどさと楽な時間が、半々ぐらいになっている状態を指します。
当然波があるので、しんどい時間が多くなる時もあれば、
楽な時間の方が多くなることもあります。
ただ、寝てばかりの生活からは少し違ってくるでしょう。
そして、少しずつ休息以外の時間を取り入れ始める時期になります。
2.うつ病回復期中期の特徴

2.1 行動面
活動をすると感じていた疲れを以前ほど感じられなくなっていると思います。
その為、ゆっくり過ごす時間を持ちつつも、活動をする時間も持ちます。
運動として、ストレッチやウォーキングを取り入れてみるのも良いでしょう。
また、ご家族と一緒に住んでいるのでしたら、家事の分担などをしてみるのもお勧めです。
今までご家族に迷惑をかけていたな・・としんどかった気持ちもあったかもしれません。
役割を担うことで、少し家族に対して出来ることを見つけていきます。
一方で、活動が多くなりすぎるのも心配です。
活動量が一気に増えすぎているなと感じられたら、一日のスケジュールの中に、「ぼーっとする時間」を予定に入れるのも良いでしょう。
2.2 食事面
3食食べるように意識をしましょう。
少量ずつでも構いませんが、緑黄色野菜、大豆、チーズ、乳製品、魚など、色々なものを取り入れていくことが大切です。
地中海式食事という、地中海沿岸地域の方々が食べている食材や調理方法は、うつ病の予防及び回復には効果があると言われています。
もしよければ、こちらの記事うつ病×食事療法(地中海食事療法)をご参照ください。
また、和食も身体には良いものが多いですので、取り入れていくことも良いでしょう。
2.3 睡眠
睡眠時間と起床時間を安定させていくことを目指しましょう。
なるべくなら、朝起きて、日中活動をして、夜早めに寝ることが理想です。
睡眠時間を決めるより先に、起床時間を決めていくことで、必然的に就寝時間が決まります。
その結果、他の活動時間も決まってきます。
まず睡眠時間を確保した後、残った時間で活動時間や、活動内容を決めていきます。
この時期から、1日の過ごし方を考える上で、生活リズム表をつけていく方もいます。
これは、今の生活を客観的に見る為に、自分の生活内容を記述していくものです。
1週間続けることで、自分の波を見つけたり、出来ていること・改善が必要な事などが分かります(改めてこれについては説明しますね)。
2.4 思考・気持ち
少しずつ動けるようになると、気持ち的に少し楽になってきます。
この頃になっていると、会社を休職してからも少し時間が経っているので、あまり仕事のことなどを考えずに生活できる時間もあるかもしれません。
しかし、動き始められるようになったことで、どんどんやりないといけないという焦りが出て来てしまうかもしれません。
焦る気持ちがありながらも身体は言うことを聞かない・・・そんなジレンマに苦しむこともあるでしょう。
3.うつ病回復期中期の過ごし方のポイント

3.1 先のことは考えず、今日1日または今週のことを考える
「先の事を考える」とは、仕事に戻ることだったり、以前楽しめていた趣味を楽しめる自分になることだったりします。
けれど、先のことを考えると、どうしても今の状態を否定したくなったり、早く治そうと焦ったり不安な気持ちが強くなることがあります。
長期的な目標を持つことも大事ですが、まずは今日1日を大事に生きることを意識することが大切です。
そして、少しずつ伸ばして「1週間を安定して過ごすこと」を意識する。
そのような積み重ねが、結果的に一番早く安定していくことに繋がるでしょう。
3.2 自分の身体の反応に常に意識を向けながら生活をする
体調を崩すきっかけとして、自分の思考と身体のバランスが崩れてしまうことが関係しています。
自分ではこうしたい・こうしないといけないと考えて、知らず知らずの内に、自分の身体の調子を無視して突き進んでしまうことがあります。
メンタルが不調になってくると、今まで以上に身体がちゃんとメッセージを出してきます。
それは、腹痛だったり不眠だったり。
そのような症状を通して、自分の身体からのメッセージを受け止め、身体に合わせた生活づくりをしていくことが大切です。
3.3 出来ないことよりも出来たことを意識しましょう
この時期は、まだまだ出来ないことが沢山あるでしょう。
その時に、「これもあれもまだ出来ない」と考えしまいがちです。
「今日一日でこれが出来た。良く頑張ったぞ」
と出来たことに注目することが大切です。
1日1つ出来たことを夜に確認することで、少しずつ自分に自信をつけてあげましょう。
そして、そうやって自分のポジティブな部分を見つけられる自分になれるように、日々過ごしてみるのも良いでしょう。
4.まとめ【やっぱりうまくいかないことも多いでしょう】

これまでの休息の取り方と違って、少しずつ活動を取り入れる時間を試します。
気持ちとしては、前向きに進んでいると感じやすい面もありますが、実際には、自分が期待しているほどのスピードで、回復していくことは無いでしょう。
出来ることが増えてくると、じゃあその次は?とタスクを増やしたくなるのは当然です。
ただ、タスクを増やすことにばかり注目するのではなく、一つ一つ今やれていることを確認しながら進んでいくことが大切です。
「進んでいる方が、その場で変わらないよりも楽」なこともあるでしょう。
しかし、ここではアクセルを吹かさず、ゆっくりと進んでいきましょう。